合う靴が見つからない人が次にやることは、もっと探すことではありません。全国3,435名を検索する

何足買っても、どこかが当たる。ネットで探しても、店を回っても、しっくりくる一足に出会えない。

そういうとき、次にやることはもっと探すことではないかもしれません。測ってもらうことです。

日本には、靴合わせを専門に学んで認定を受けた人が3,000人以上います。そして都道府県と得意分野で検索できる公式のページがあります。知られていないだけで、探す手段は用意されています。

この記事では、認定機関が公開していることを引用し、そこから先は編集部の見方として段落を分けて書きます。最後に出典をまとめました。

目次

シューフィッターとは何なのか

資格を出しているのは一般社団法人 足と靴と健康協議会です。サイト上ではFHAと表記されているので、以下そう書きます。

公式の説明はこうです。シューフィッターとは「お客様の足に正しく合った靴を提案するシューフィッティングの専門家です」。そしてFHAは「足により良くフィットする靴を提供するためにシューフィッターを養成・認定したり、一般消費者に向けて情報を発信している団体」とされています。

歴史は思ったより古い話でした。沿革によれば1965年8月に「日本婦人靴研究会」として発足。「消費者のために日本の婦人靴をよくしよう」と有志企業の参加により発足した、と書かれています。そして1984年11月にシューフィッター養成講座(プライマリーコース)が開講し、現在まで継続中とあります。

募集中の回には「第173(通算242)回」と付いていました。内訳までは公開されていないので数え方は断定しませんが、それだけ回を重ねてきた講座だということです。

そして人数。検索ページにこうあります。「シューフィッターは、2026年7月1日現在、3435名が認定されています」。

探し方。公式の「シューフィッター検索」があります

行き先はここです。シューフィッター検索(足と靴と健康協議会)。説明には「都道府県やグレード、取扱商品などの項目を指定して、詳細な検索ができます」とあります。

指定できる条件が実用的です。都道府県は全国から選べます。そして取り扱い品目が、紳士靴、婦人靴、子供靴、幼児靴、スポーツ靴、安全靴、シューケア用品、介護靴・介護用品、インソール、注文靴・オーダー靴、その他。

ここは編集部の見方ですが、この「取り扱い品目」で絞るのがいちばん効くと思います。革靴で困っているなら紳士靴、パンプスなら婦人靴、子どもの靴なら子供靴か幼児靴。困っている物が違えば、相談すべき相手も変わります。

そしてもうひとつ。品目に注文靴・オーダー靴があります。既製品でずっと失敗してきた人にとっては、これがいちばん軸に近い出口かもしれません。作る話まで相談できる相手を最初から選べる、ということです。

ただし注意書きも読んでおいてください。「掲載情報はシューフィッター本人の届出によるもので、変更になっている場合がございます」。そして「※シューフィッター本人が希望する場合のみ登録しています」。

つまり認定を受けた人の全員が載っているわけではないということです。編集部の見方ですが、これは悪い話でもありません。検索に出てこない近所の靴屋さんが、実は資格を持っている可能性があるということでもあります。行きつけの店があるなら、一度聞いてみる価値はあります。

検索したあと、行く前に確かめること

公式にはこう書かれています。「出勤時間や予約状況などを事前に店舗へ確認のうえご来店ください」。

ここからは編集部の見方です。この確認は電話が確実だと思います。そしてその一本の電話で、まとめて聞いてしまうのがおすすめです。聞くのはこのあたりです。

  • 検索で見た人の名前を挙げて、その人がいる日はいつか
  • 予約が必要か、必要なら何日前までか
  • 相談や採寸に料金がかかるか。靴を買うことが前提か
  • どのくらい時間がかかるか
  • いま困っている靴を持ち込んでいいか

料金については公式に記載がありません。店ごとに違うので、この電話で必ず聞いてください。無料で見てくれるところもありますし、採寸に費用がかかるところもあります。行ってから知ると気まずいので、先に聞くのが正解です。

そして検索して0件だったとき。編集部としては、手は3つあると思います。品目の絞りをいったん外してみる。隣の県も見る。そして近くの百貨店の靴売場に電話して、資格を持った人がいるか聞く。さきほど書いたとおり名簿に載っていない人がいるので、3つ目は意外に当たります。

グレードと専門コースの読み方

検索条件にはグレードもあります。並んでいるのはプライマリー、バチェラー、マスター、幼児子ども専門、シニア専門、スポーツシューズ専門。

養成講座の説明と合わせると構造が見えます。プライマリーコースが初級で、「靴合わせの専門家シューフィッターを養成・認定しています」。バチェラーコースが上級で、「シューフィッティングをより深く学ぶ講座です。※有資格者のみ受講可」。

専門コースは3つ。幼児子ども専門(2009年12月開講)、シニア専門(2013年3月開講)、スポーツシューズ専門(2026年6月開講)。いずれも有資格者のみ受講可とされています。つまり専門コースの肩書きがある人は、資格を持ったうえで特定分野を学んでいることになります。

マスターについては、サイトに「*マスターコースは現在、募集しておりません」と書かれています。1991年11月に開講した記録があるので、いま「マスター」と名乗っている人は、募集していた時期に取った人だと読めます。

ここからは編集部の見方です。グレードの高さで絞るより、自分の困りごとに合う専門コースがあるかで選ぶほうが実用的だと思います。子どもの靴なら幼児子ども専門、親の靴ならシニア専門。上級かどうかより、その分野を学んでいるかどうかです。

ひとつだけ補足を。スポーツシューズ専門は2026年6月に開講したばかりです。この条件で絞ると人数が少なくて出てこない、ということは起こりうると思います。0件なら絞りを外してください。

なお活動情報には、百貨店のこども靴売場で「個別講座&靴選び」というイベントを、上級シューフィッターと幼児子ども専門シューフィッターが担当した例が載っていました。過去にはこういう形もあったということなので、店に予約して行く以外の入口も探してみる価値はありそうです。

その前に。先に病院へ行くべき場合

商品の話より先に、ここを書いておきます。

FHAの説明は「お客様の足に正しく合った靴を提案するシューフィッティングの専門家」です。医療の資格だとは、どこにも書かれていません。

ここからは編集部の見方です。痛みや変形があるなら、まず整形外科だと考えています。親指の付け根が出っ張って痛む、足の裏に芯のあるタコができている、指の形が変わってきた。こういう状態は、靴を替える前に原因を確かめる話です。

それとは別に、片方の脚だけが急に腫れた場合。これは靴の話ではない可能性があります。この記事の範囲を超えるので、早めに医療機関にかかってください。

とくに書いておきたいのが足の感覚が落ちている場合です。糖尿病などで感覚の低下を指摘されている人は、当たっていても痛みを感じないことがあります。痛くないから合っている、とは言えません。この場合は市販の中敷きを自分の判断で入れる前に、かかりつけの先生に相談してください。

子どもも同じです。足が痛くても、子どもはそれを言葉にしません。走り方が変わった、その靴を嫌がる、といった様子で見るしかないと思います。

そして受診の先には道があります。医師の指示で足底装具を作るという選択肢です。条件によっては保険が使えることがあるので、適用については受診した医療機関で確認してください。合う既製品が見つからない人にとって、ここはかなり大きな出口だと思います。

逆に、痛みはないけれど合う靴がない。これは原則としてシューフィッターの領域です。医療機関で「靴を見直してください」と言われた人も、その次の相手がここになります。

行く前に。認定機関のFAQが答えている4つのこと

FHAのサイトには、一般からの質問に答えるページがあります。内容が具体的なので紹介します。読んでおくと、相談の場で話が早くなると思います。

「革は履いているうちに伸びるから大丈夫」と言われた場合。回答はこうです。「履いているうちに革は伸びますが、伸びることは別な意味で靴が変形する事です。一般的に、幅は伸びても長さは伸びないとお考え下さい」。

ここは効きます。伸びるというのは、いいことではない。そして長さが伸びることは当てにできない。つま先が当たる靴を「馴染むから」で買うのは、そういう買い方だったということです。

サイズが決まらない場合。「靴のサイズについてはメーカーごとに足入れサイズが異なるとお考え下さい。必ず店内を歩き履き具合をチェックしてください」。そのうえでシューフィッターへの相談を勧めています。

日本人と欧米人の足の違いについて。「一般的には欧米人は足長に対して足幅、足囲が細めなので、幅広が多い日本人の場合、靴は合い難いといえるでしょう」。海外ブランドで幅が合わない人は、相性の問題だったということです。

そしてこれがいちばん意外でした。通販で買った靴がぴったりだったので、まったく同じ商品をもう1足買ったら合わなかったという質問への回答です。

「機械で生産される靴も製造の過程で必ず人の手が入ります。それは靴の製造には機械では対応できない手作業が必要な工程があるためです。また革靴の場合は使用する革に個体差(厚みや伸び方など)があります。そのため全く同じ商品でもフィッティングに若干のばらつきが出ますので、通信販売での購入時には注意が必要です」。

同じ型番でも、一足ごとに違う。だから通販でのリピート購入にも注意が必要だと、認定機関が書いています。これを知らずに「前に合ったやつをもう1足」で失敗した人は多いと思います。通販でどう買うかは専門機関は「試着せずに靴を買うな」と言っています。それでも通販で買う人がやることに書きました。

行く前に測っておく。足長と足囲は道具が違います

ここからは編集部の見方です。相談に行くなら、自分の数字を持っていったほうが話が早いと考えています。店でも測ってもらえますが、自分の数字と店の数字を比べられるのは、それだけで収穫です。違っていたら、それも話の材料になります。

そして大事なのが、足長と足囲は測る道具が別だということ。片方だけ用意して片方が測れない、というのがよくある取りこぼしです。

足長(かかとからいちばん長い指の先まで)を測るのは、プレート型のスケールです。

選ぶときは大人のサイズまで対応しているかを見てください。子ども用のサイズ測定器が多く売られていて、混ざります。そして立って、体重をかけた状態で測れる形のものを。座って測ると足は短く出ます。

いっぽう足囲(親指と小指の付け根のいちばん太いところの周囲)は、プレートでは測れません。ぐるりと回して測るので、やわらかいメジャーが必要です。

金属の巻尺ではなく、布や樹脂のやわらかいものを。足に沿わせて、締めつけずに当てます。

測るのは両足とも、そして足がむくみがちな夕方に。左右で違っていても、それは普通のことです。差が出たときにどうするかは左右で足のサイズが違う人へ。大きいほうに合わせたあと、つま先を詰めてはいけませんに書きました。

いっしょに持っていくもの

ここも編集部の見方です。持っていくものは2つあると思っています。

ひとつはいま困っている靴。どこが当たるかを実物で示せるほうが、言葉で説明するより早い。靴底の減り方も見てもらえます。

もうひとつがいつも履いている靴下です。これが意外と効きます。

靴下の厚みが変われば、靴の中の余りも変わります。薄いビジネス用の靴下で合わせた靴に、冬に厚手を履いてきつくなる。これは実際によく起きます。

だから編集部としては、相談に行く日は、その靴でいちばん履くことになる靴下で行くのがいいと思います。仕事の革靴なら仕事の靴下で。厚みを揃えておくと、店で出た答えがそのまま使えます。

相談の結果として買うことになるもの

シューフィッターの取り扱い品目にインソールが入っています。実際、相談の結果として中敷きを勧められることは多いと思います。

ここからは編集部の見方です。市販の中敷きを自分で選ぶ前に、相談するほうが順番としては正しいと考えています。どこを支えるべきかが分からないまま買うと、当たる場所が増えるだけになることがあります。中敷きで直せることと直せないことは中敷きを入れれば合うようになる、は半分だけ本当です。直せることと直せないことに書きました。

そのうえで注意を3つ。ひとつめ、中敷きを入れると靴の中の容積が減ります。いまの靴がぴったりなら、入れた時点できつくなります。ふたつめ、入れて違和感が出たら外してください。きついまま履き続けると、爪や皮膚のほうが先に傷みます。

みっつめが、FAQにあった固定の話です。「敷革を入れて履き心地がベストであれば、接着剤、両面テープなどを利用、靴内での動きを止めることが大切です」。入れるだけでなく、止める。

ただし編集部としては順番を守ってほしいと思います。まず両面テープで試して、位置と履き心地が決まってから接着剤。最初から接着してしまうと、位置の直しがきかなくなります。

そのうえで、相談のあとに自分で足すなら、薄いものから試すのが無難だと思います。

「幅が合っていない」と分かったら

相談の結果として、自分の足囲の記号が分かることがあります。EやEE、3Eといった表記です。

ここは編集部の見方ですが、この記号は、測ってもらったあとで初めて意味を持ちます。測る前に「幅広そうだから3E」で選ぶと、たいてい外します。広ければ楽、ではありません。幅が広すぎると靴の中で足が横に動いて、かかとが抜けたり指が前に滑ったりします。

そして自分の記号が分かったあとも、同じ型番でもフィッティングにばらつきが出るという認定機関の指摘は変わりません。だから編集部としては、ここは通販で足すより、履いて決めてほしいと思っています。この記事で商品を並べないのは、そういう理由です。

どのメーカーが幅の選択肢を持っているかは足が合わないのは、あなたの足のせいではない。日本のメーカーが作る幅広・甲高向け4足にまとめました。あたりを付けてから、店で履いてください。

まとめ:探すのをやめて、測ってもらう

整理します。日本には2026年7月1日現在で3,435名の認定シューフィッターがいて、都道府県・グレード・取り扱い品目で検索できる公式のページがあります。養成講座は1984年から続いているものです。

選ぶときはグレードより、自分の困りごとに合う専門コースがあるか。名簿に載っているのは本人が希望した人だけなので、載っていない資格者もいます。そして行く前に電話で、出勤日と予約と料金をまとめて確認。

まず1つだけと言われたら、公式の検索ページで、自分の県と品目を入れてみることです。検索するだけなら無料で、今日できます。近くにいるかどうかが分かるだけで、次の一手が決まります。

そして覚えて帰ってほしいのは、認定機関が書いているこの一行です。「一般的に、幅は伸びても長さは伸びない」。つま先が当たる靴は、待っても解決しません。何足も買い替えてきた人は、探す方向を変えたほうが早いと思います。

出典

  • 一般社団法人 足と靴と健康協議会(FHA)シューフィッター検索(認定者数・検索条件・掲載に関する注意)
  • 同公式サイト(シューフィッターの定義、養成講座とグレード、沿革、よくあるご質問、活動情報)

※本文中の数値・文言は2026年9月27日時点で公式サイトを確認したものです。制度や認定者数は変わることがあります。

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この記事を書いた人

日常の靴選びから仕事に合わせた靴選びなど、さまざまな靴に関する情報をお届けしています。あなたの足元を彩る一足を見つけるお手伝いができれば幸いです。お気に入りの靴を見つけて、毎日の生活を足元から豊かにしてください。

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