革靴の雨ジミは、シミの部分だけを拭かない。靴ケア用品の販売会社が書く、まずシミを中心に周りまで広く湿らせて目立たなくする手順

雨の日に履いた革靴を、翌朝見たら側面に波のような跡が残っていた。甲に水滴の輪が浮いている。慌ててその部分だけを濡れた布で拭いたら、かえって輪郭がくっきりしてしまった。そんな経験はないでしょうか。

靴と革製品のお手入れ情報サイト「ShoesLife」は、雨ジミはもう一度濡らすことで改善できるとし、シミができてからさほど日が経っていなければそれだけで十分改善が見られる、と書いています。ただし、シミの部分だけに集中して濡らすと、湿らせた部分がかえってシミになる。シミを中心に、周りへ広く、グラデーションをつけるように湿らせるのがポイントだそうです。

この記事では、ShoesLifeの記事2本から引用し、そこから先は編集部の見方として段落を分けて書きます。ShoesLifeは靴ケア用品を販売する会社が運営するサイトで、記事の中で自社が扱う商品を紹介しています。最後に出典をまとめました。

目次

雨ジミと輪ジミは、なぜできるのか

ShoesLifeは、雨や雪が染み込むことでよく起きるトラブルとして「雨ジミ・輪ジミ」を挙げています。靴の側面に出る波状のシミが雨ジミ、甲の部分に出る水滴の跡が輪になったものが輪ジミです。

理由は1つではなく様々で、かつ複合的に起こるとしたうえで、しくみをこう説明しています。革に水が染み込むとき、革がもともと含む油分やワックス、汚れが、水に押しやられて、染み込んだ部分の外周にたまっていく。濡れているうちは色が濃くなっているので目立たないものの、乾いていくと、その輪郭が成分の跡として残ってしまう。靴底や縫い目、革の切り口から水を吸って波状の雨ジミになったり、水滴の跡が輪ジミになったりする、ということです。

また、防水加工された革もある一方で、パティーヌ仕上げの製品やベジタブルタンニンレザーなど、風合いを大事にした上質な製品ほど、水や油が染み込みやすい素材が使われていることも多い、とあります。

消すときは、軽い方法から順番に

ShoesLifeは、雨ジミの対処を段階を踏んで進めるように書いています。

  1. 水で濡らす:シミの部分を、水を含ませたクロスで水拭きする。押しやられて跡になっている成分を、湿らせた範囲へもう一度散らして目立たなくする。シミの部分だけに集中せず、シミを中心に周りへ広く、グラデーションをつけるように湿らせる。シミができてからさほど日が経っていなければ、これだけで十分改善が見られる
  2. 溶剤系のクリーナーを使う:濡らす工程のあと、革が乾いても改善しなければ、もう一度シミとその周りを濡らし、革が湿った状態で、溶剤系の革用クリーナーをシミに浸透させながら拭いていく。ShoesLifeが使っているのは自社で販売するSaphirの「レノマットリムーバー」で、ワックスや油分を溶かす力と揮発性でシミを抜く、と説明しています
  3. それでもだめなら、無色の革用染料:同じく自社で扱うSaphirの無色の皮革用染料(アルコール系の「ダイフレンチリキッド ニュートラル」)を、強力なシミ抜きとして使う方法もある(記事の実演写真はバッグ)。ただし色落ち・色抜けのリスクを伴うので、奥の手として考える

3つめについて、ShoesLifeは「シミを抜こうと思ったら、シミだけでなく色まで抜けた……なんてことになりかねません」と書いています。だからこそ、できるだけライトな方法から試してみて、それでダメだったらの奥の手としての“染め直し”を考える、と段階を踏んでほしい、という考え方です。

ここからは編集部の見方です。最初の「水拭き」は、家にあるもので今日からできます。すでにシミの部分だけを拭いてしまったなら、それも水でできた跡なので、1つめの手順(シミを中心に周りへ広く、グラデーションをつけて湿らせる)をやり直すのがいいと考えています。何日たったら「さほど日が経っていない」とは言えなくなるのか、乾くまでどれくらい待って判断するのかは、出典に書かれていません。1つめで変わらなければ、乾いてから2つめに進む、という順番を守ってください。

2つめの溶剤系クリーナーについて、ShoesLifeは別の記事で、非常に強力なので、ゴシゴシ力強くこすると銀面(革の表面)が荒れてしまうと注意しています。ShoesLifeの説明はレノマットリムーバーについてのもので、同じ種類のほかの商品でも同じ結果になるかは書かれていません。3つめの染料は、色が抜けたら染め直しが必要になることもあるので、大切な靴なら、自分で試す前に靴の修理店やお手入れの専門店に相談するのも1つの手だと思います。

シミが消えたら、油分を「順番どおり」に戻す

ShoesLifeは、シミが改善したら、抜けた油分を補い、ワックスでツヤを出してあげると元の状態に近づけられる、と書いています。手順は、まずデリケートクリームで抜けた水分・油分を補い、そのあとで油分とワックスを含むクリームを使う、というものです。

理由も書かれています。「皮革が乾燥した状態で動物性油分やワックスを与えてしまうと、今度はそれらがシミの原因になってしまいます」。先にデリケートクリームを塗っておき、急に油分やワックスが染み込むのを防ぐのがポイントだそうです。

ここからは編集部の見方です。シミを消したあと、いきなりいつもの靴クリームを塗りたくなりますが、先にデリケートクリーム、という順番を覚えておくと、新しいシミを作りにくくなると思います。

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雨ジミを作らないために。濡れた日の夜にすること

ShoesLifeの別の記事は、雨で濡れた革靴の乾かし方を書いています。外側については、たとえ土砂降りの日でも濡れ方にはムラがあるので、そのまま放置すると雨ジミになる恐れがある。そこで、適度に絞った濡れタオルで全体を拭き取り、靴を均等に濡らすことで、ムラになるのを防ぐ、とあります。

そのほかの手順は次のとおりです。

  • 内側まで濡れていたら、紙をつま先まで詰めて湿気を吸わせ、形を整える(新聞紙はインクが移るおそれがあるので、使うならキッチンペーパーで包む)
  • 型崩れを防ぐため、半乾きから2割くらい湿り気が残っている段階でシューツリーを入れる。バネ式ではなく、かかとまで支えるタイプを
  • 直射日光の当たらない、風通しの良いところで2〜3日陰干し。つま先を上に向けて壁に立てかけると湿気が抜けやすい
  • ドライヤーの熱風は厳禁。どうしても急ぐなら送風で

ここからは編集部の見方です。消す手順は「シミを中心に、周りへ広く」、作らない手順は「全体を均等に」と、2本の記事で言葉は違います。それでも、どちらも濡れた部分と乾いた部分の境目を作らない、つまり「部分だけ」を避ける点は同じだと読んでいます。帰ってきてすぐ、絞ったタオルで靴全体をひと拭きする。これだけで、翌朝の跡はだいぶ違ってくると思います。シューツリーの選び方はシューキーパーの記事に、雨の日に革靴を履くときの考え方は雨の日の革靴の記事に、乾いたあとに浮く白い粉(塩ふき)の手当ては雪と凍結の日の記事にまとめています。

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なお、ShoesLifeの2本の記事は、革の種類をはっきり書いていません。編集部は、表面のなめらかな革を想定した手順だと考えています。スエードやヌバックのような起毛した革は手入れの方法が違うのでスエードとヌバックの記事を、合成皮革の靴は合成皮革の記事を見てください。

まとめ:シミの部分だけを拭かず、周りまで広く

ShoesLifeによると、雨ジミ・輪ジミは、理由は複合的ながら、染み込んだ水に押しやられた油分やワックス、汚れが、乾いたあとに輪郭として残るものです。対処は段階を踏んで、まずシミを中心に周りへ広くグラデーションをつけて水で湿らせる(シミができてからさほど日が経っていなければ、これで十分改善が見られる)。だめなら湿った状態で溶剤系のクリーナー、それでもだめなら色抜けのリスクがある無色の染料。改善したら、先にデリケートクリームで水分・油分を補ってから、油分とワックスを与えます。予防には、濡れた靴を絞ったタオルで全体を拭いて均等に濡らし、陰干しすることが挙げられています。

ここからは編集部の見方です。シミを見つけたら、その部分だけをこすらない。早めに、周りまで広く湿らせてぼかす。それが、気に入った革靴を雨の跡から守るいちばんの近道だと思います。

出典

※ShoesLifeは靴ケア用品を販売する会社が運営するサイトで、記事内で自社取扱商品を紹介しています。各資料は2026年10月20日に確認しました。

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この記事を書いた人

日常の靴選びから仕事に合わせた靴選びなど、さまざまな靴に関する情報をお届けしています。あなたの足元を彩る一足を見つけるお手伝いができれば幸いです。お気に入りの靴を見つけて、毎日の生活を足元から豊かにしてください。

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