ゴムの長靴が白くなるのは、劣化とは限りません。2種類の白化と、艶出し剤は「水性」を選ぶ理由

しまっておいたゴムの長靴を出したら、表面が白っぽく粉をふいたようになっていた。劣化したのか、もう履けないのか、と思った人もいると思います。

靴メーカーのムーンスターは、ゴム製の長靴の白化としてブルーミングを挙げ、そのほかにフロスティングという白化もある、と説明しています。前者は使うのに影響がなく、ゴム用の艶出し剤やコーティング剤で拭き上げるときれいになるもの。後者はオゾンなどが原因の細かな傷で、拭き上げてもきれいにならないものです。

この記事では、ムーンスターの「長靴のお手入れ」と「アウトソールの種類」から引用し、そこから先は編集部の見方として段落を分けて書きます。最後に出典をまとめました。

目次

白化のひとつめ:ブルーミング

ムーンスターの説明はこうです。「ゴム製の長靴は、ご使用中並びに保管中にゴムの表面が白っぽくなることがあります。これはブルーミングとも言われていますが、製造段階で添加した配合剤が表面に滲み出てきたものでご使用には影響ありません」。

そして「市販のゴム用艶出し剤やコーティング剤で拭き上げると綺麗になります」。

ここからは編集部の見方です。ゴムは、作るときにいろいろな材料を混ぜてできています。靴底の素材の記事で引いたとおり、ムーンスターはゴムについて補強剤や加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤など多くの材料を混合(配合)すると説明しています。長靴のページが言う「配合剤」がそのどれかまでは書かれていませんが、作るときに加えたものが表面に出てくる白さもあるということです。ブルーミングであれば、白くなったから傷んだ、とは限らない。

もうひとつの白化:フロスティング

ただし、同じページにはこうも書かれています。「その他にフロスティングと言われる白化もありますが、オゾンなどが原因でできた細かな傷のため、こちらは拭き上げても綺麗になりません」。

そして予防として、「購入時に同じくゴム用艶出し剤やコーティング剤を施しておくと白化を抑制することはできます」。

ここからは編集部の見方です。出典は見分け方を示していませんが、手がかりにはなると思います。まず内側のラベルでゴム製かどうかを確かめ、泥やほこりを落としてから、水性のゴム用艶出し剤で拭き上げてみる。白さが取れれば、ムーンスターの言うブルーミングだと考えてよさそうです。取れなければ、表面に細かな傷ができている可能性があります(拭いた量が足りない、ゴム製ではない、などの可能性もあります)。

フロスティングは拭き上げでは消えないので、ムーンスターの書くとおり購入時に艶出し剤やコーティング剤を施しておくのが抑制になります。すでに白くなった長靴も、同社が定期的に塗布することで表面がきれいになり劣化を抑制することにも繋がりますと書いているので、これからの手入れとして続ける意味はあると思います。

艶出し剤は、必ず水性。靴底には塗らない

拭き上げの手順は、「靴売場などで売られているラバーブーツ用の艶出し剤を使用し乾いたタオルで拭き上げます」。さらに「ホームセンターやカー用品売場などで売られているゴムタイヤ用の艶出しに用いるコーティング剤も効果的です。定期的に塗布することで表面がきれいになり劣化を抑制することにも繋がります」。

そして、ここがいちばん大事な注意です。「注意点として、必ず「水性」のものをご使用下さい。ゴム素材は油性に弱くゴムを劣化させる原因にもなります。また滑る危険もありますので、靴底には塗布しないようにして下さい」。

ここからは編集部の見方です。タイヤ用の艶出し剤には油性のものもあると思います。選ぶときは、容器や商品ページに「水性」と「ゴム用」(ラバーブーツ用・タイヤ用)の両方が書いてあるかを必ず確かめてください。シリコンスプレーや革用のクリームは、ここで言う艶出し剤とは別物です。

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編集部としては、塗るのは筒と甲の表面だけにして、作業のときは底を新聞紙などで覆っておくと安心だと思います。

洗うときは、中に水を入れない

白化の前に、日々の手入れの話です。ムーンスターが用意するものとして挙げているのは、使い古しの布(汚れ落とし用)、乾いた布(コーティング用)、ブーツキーパーもしくは保型芯、消臭剤、艶出し剤です。

汚れ落としは「水または40℃以下のぬるま湯で使い古しの布などを使い優しく汚れを落とします」。汚れがひどければ流水で洗い流してもいいが、「中に水が入らないよう気をつけます。中に水が入ると乾きにくくなり、カビの原因になることがあります。(特に冬用の防寒に起毛素材を用いたもの)」。

ここからは編集部の見方です。内側がボアや起毛になった冬用の長靴は、中が濡れるとなかなか乾きません。外側の泥は布で拭く、流すなら口を上にしたまま外側だけ。カビが生えやすい条件についてはしまい方を間違えると、来年その靴は履けません。カビの条件から逆算する保管の4つにまとめました。

干すときも、しまうときも、折り曲げない

乾かし方は「風通しの良い場所で陰干しします。その際は、折り曲げずにまっすぐ立たせて乾かします。折れ曲がったところから、ひび割れを起こしやすくなるので注意しましょう」。

しまうときは「しっかり乾いたら内側に消臭剤をし、ブーツキーパーをお持ちであれば形を整え保管します。ブーツキーパーをお持ちでない場合は、あらかじめブーツに詰めてあった保型芯でも大丈夫です」。そして「折り曲げずに保管しましょう」。冒頭には「素材の特性として、長期保管によるひび割れや表面が白くなることもあり」とも書かれています。

ここからは編集部の見方です。下駄箱に入らないからと筒を折って押し込むのが、いちばんやりがちで、いちばん避けたいしまい方だと思います。買ったときの保型芯は捨てずに取っておくか、なければ長靴用のキーパーを。

選ぶときは、革のロングブーツ用の細いものではなく、長靴やレインブーツの太さと高さに対応しているかを確かめてください。

消臭剤は、出典の順番どおりしっかり乾いてから。中を湿らせない置くタイプが、この順番に合っていると思います。

ゴムの長靴と、塩化ビニルの長靴

ここまでの白化の説明は、ムーンスターが「ゴム製の長靴」について書いたものです。長靴にはほかに、塩化ビニル(PVC)製などのものもあります。

同社は靴底の素材としてのPVCについて、「製造が容易な材料の一つであるが、低温時には若干硬くなる性質があるため、一部製品の採用に留まっている」と説明しています。

ここからは編集部の見方です。この記事の白化の話や、艶出し剤の使い方がPVC製の長靴にもそのまま当てはまるかは、出典からは分かりません。手元の長靴がどちらの素材かは、内側のラベルや商品ページの素材欄で確かめてください。PVC製の場合の手入れは、その長靴のメーカーの案内に従うのが確実です。

なお、この「低温で若干硬くなる」は靴底の素材としての説明なので、長靴の本体にも当てはまるかは分かりません。雪の日の靴の選び方は雪と凍結の日の記事に、ブランドごとのレインブーツの成り立ちは農場や戦場で生まれたレインブーツの記事に書きました。

まとめ:白くなったら、まず拭いてみる

整理します。ムーンスターによれば、ゴム製の長靴の白化には2種類あります。ブルーミングは製造段階で添加した配合剤が滲み出たもので使用には影響なし、ゴム用の艶出し剤やコーティング剤で拭き上げると綺麗になる。フロスティングはオゾンなどが原因の細かな傷で、拭き上げても綺麗にならない。購入時に艶出し剤やコーティング剤を施しておくと、白化を抑制できる。

艶出し剤は必ず水性(ゴムは油性に弱い)、そして靴底には塗らない(滑る)。洗うときは中に水を入れない、乾かすときもしまうときも折り曲げない。

白くなった長靴を前にしたら、出典の手順に沿ってこの順番です。

  1. 内側のラベルでゴム製かを確かめる
  2. 水か40℃以下のぬるま湯で泥やほこりを落とす(中に水を入れない)
  3. 折り曲げずに立たせて陰干し
  4. 筒と甲に水性のゴム用艶出し剤を塗り、乾いたタオルで拭き上げる(靴底は避ける)
  5. しっかり乾いてから、消臭剤とキーパー(または保型芯)を入れ、折り曲げずにしまう

4で白さが取れれば、ブルーミングだと考えてよさそうです。取れなくても、これからの劣化の抑制として塗り続ける意味はあります。

出典

※各資料は2026年10月6日に確認しました。

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この記事を書いた人

日常の靴選びから仕事に合わせた靴選びなど、さまざまな靴に関する情報をお届けしています。あなたの足元を彩る一足を見つけるお手伝いができれば幸いです。お気に入りの靴を見つけて、毎日の生活を足元から豊かにしてください。

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