寒くなってくると、SNSや動画サイトに、有名ブランドのブーツやダウンジャケットが大幅割引になったセール広告が流れてくることがありますよね。「今だけ」「在庫処分」と書かれていると、ついクリックしたくなります。
国民生活センターは2018年に、日本の消費者が冬物の衣服・履物(ダウンジャケットやブーツなど)を買う時期にあわせて、詐欺・模倣品サイトが登場してくるケースが多くなっており、詐欺・模倣品トラブルが冬季(11月〜1月)に集中して発生する傾向がある、と注意を呼びかけました。2025年12月にも、ネット通販の冬物商品セールの「模倣品」「粗悪品」に注意するよう呼びかけています。
この記事では、国民生活センターの発表(2018年10月、2024年6月、2025年12月)と、2026年6月公表の特集ページから引用し、そこから先は編集部の見方として段落を分けて書きます。発表ごとに年が違うので、それぞれ書き添えます。最後に出典をまとめました。
詐欺・模倣品トラブルは冬季に集中する傾向(2018年の発表)
2018年10月の発表は、国民生活センター越境消費者センター(CCJ)に寄せられた相談を分析したものです。CCJは、海外の事業者とのトラブルの相談窓口です。発表によると、詐欺・模倣品トラブルの相談件数は以前に比べて減ってはいるものの、なお全相談の約4分の1(2017年度)を占めていました。
月別の件数(2016年4月〜2018年3月)では、2017年度は10月の84件から、11月130件、12月177件、2018年1月174件と増え、2月には80件に戻っています。これは、衣服・履物に限らない詐欺・模倣品トラブル全体の件数です。商品の種類別の割合を示した別の図には、「衣類」「履物」「その他」が分けて描かれています。
発表は、こうしたトラブルでは相手方は海外に所在する悪質事業者である可能性が高く、被害回復が困難なことも多いため、トラブルを未然に防止することが重要だとしています。
ブーツの事例
2018年の発表には、ブーツの事例が載っています。
広告メールを見て、有名ブランドの公式サイトと書かれていた通販サイトでブーツを購入した。粗悪な模倣品が届いたので、事業者に返金してほしいとメールをしたが返事がない。クレジットカードで支払っているため、カード会社に連絡したが、商品が届いているためどうにもできないとの回答だった。(2017年12月受付、50歳代女性)
ここからは編集部の見方です。この事例で気になるのは、「公式サイトと書かれていた」ことと、商品が届いてしまうと、カード会社でもどうにもできないと言われたことです。「届かない」より「偽物が届く」ほうが、あとから取り戻しにくい場合がある、ということだと読んでいます。
見分けにくくなっている(2018年の発表)
2018年の発表は、近年の詐欺・模倣品サイトの特徴として、手口はより巧妙になっていますと書いています。
- 日本語:以前は字体や文章表現がおかしいものが多かったが、近年は簡単には見分けられないサイトが多くなっている
- 価格:以前は「大幅な割引」がほとんどだったが、割引率を一定程度に抑えるサイトも見られるようになった。大幅に割り引かないことで信頼させようとしている可能性もある
- 支払方法:銀行振込の割合は大きく減った一方で、代金引換(代引き)で支払わせるケースも見られるようになった
そして、詐欺・模倣品サイトかどうかを完全に見分けることは非常に困難だとしたうえで、チェックポイントを参考にし、少しでも不安を感じた場合は購入を控えてください、と書いています。
注文前のチェックリスト(2025年の発表)
2025年12月の発表は、SNS広告や動画サイト内広告、アプリ内広告などで、ダウンジャケットやヒーターなどの冬物商品の広告が多く表示される時期に、有名ブランドや大手電機メーカーの正規品であるかのような広告を表示する悪質な通販サイトもみられる、としています。紹介されている事例はジャケットや暖房器で、靴の事例はありません。そのうえで、注文前のチェックリストを挙げています。いずれかに当てはまる場合にはご注意ください、とあります。
- サイト内の日本語が正しく表記されていない(見慣れない漢字や言い回しなど)
- ブランド、メーカー品が大幅に割引され価格が不自然に安い
- 大手電機メーカーの製品を連想させる表記(店舗写真やロゴなど)をしているが、製品型番が実在しない
- サイト上に事業者の名称、住所、電話番号が明確に表記されていない
- 住所や電話番号の表記はあるがおかしな点がある(無関係の住所や番号など)
- キャンセル、返品、返金のルールの記載がない
また、有名ブランドの正規品をうたうダウンジャケットやセーターなどのセール広告をみかけても、非公式サイトの場合は注文前に、広告の不自然な表示やサイトの事業者情報を確認することが大切だ、としています。日本語で表示されたサイトで注文したとしても、販売事業者は海外の事業者である場合があるので、表示されている事業者の名称、住所、電話番号をインターネット検索で調べ、「会社概要」「お問い合わせ」「特定商取引法に基づく表記」のページをよく確認するように、とあります。
「悪質通販サイト情報」も確かめる(2024年の発表と2026年の特集ページ)
2024年6月の発表によると、越境消費者センターは、2024年6月26日から、実際に寄せられた相談の中から「悪質通販サイト情報」をウェブサイト上で随時公表していく、としていました。2024年6月の発表は、購入前に通販サイト内の表示や支払い方法等をよく確認すること、悪質通販サイト情報を確認し、掲載事業者からは購入しないことを呼びかけています。リストに載っていないサイトにも悪質なものがありうるので、見極めるポイントもあわせて紹介しています。
いまは、国民生活センターの特集ページ「悪質通販サイトのトラブルにあわないために」(2026年6月17日公表)から、「悪質通販サイト情報」のPDFを開けます。ページには、現存のウェブサイトを網羅したものではありません、掲載されていないサイトでも特徴が見られる場合は慎重に判断するように、とあります。同じページの見分けるチェックポイントには、市場では希少なものがこのサイトでは入手可能となっている、支払方法が限定されている、振込先の銀行口座の名義が個人名である、といった項目も挙げられています。
ブーツを通販で買う前に確かめること(編集部の見方)
ここからは編集部の見方です。出典のチェックリストを、ブーツを探す場面に置き換えると、こうなります。
- SNSの広告から直接買わない。気になるブーツを見つけたら、ブランドの公式サイトに行き、取扱店の一覧や、同じ商品があるかを確かめる。検索結果に偽サイトの広告が混ざることもあるので、ブランド公式SNSのプロフィールにあるリンクから入るなど、確かな入口を使う
- URLを見る。2018年の発表のチェックポイントには、サイトURLの表記がおかしい(ブランドの正式な英語表記と少しだけ異なっている、前後に別の文言が追加されているなど)が挙げられています
- 国民生活センターの「悪質通販サイト情報」に、そのサイトが載っていないかを見る。載っていなくても安全とは限りません
- サイトの「特定商取引法に基づく表記」を開き、事業者の名称・住所・電話番号を検索してみる
- 返品・交換のルールが書かれているかを見る。ブーツはサイズが合わないこともあるので、もともと確かめておきたい項目です
- 「代引きだから安心」と考えない。2018年の発表では、代引きで支払わせるケースも挙げられています
- 「半額」は合図。2025年の発表は、大幅に割引され価格が不自然に安いことを注意点に挙げています。ただし2018年の発表は、割引率を一定程度に抑えるサイトも見られるようになったとしているので、3割引くらいなら安全、とも言えません
- 少しでも不安なら、買わない
通販で靴を買うときの、サイズや試着についての考え方は通販の靴の記事に、セールの値引き表示の読み方はセールの靴の記事にまとめています。
トラブルにあってしまったら
2025年の発表は、模倣品や粗悪品が届いたなどのトラブルにあった場合は、最寄りの消費生活センター等に相談し、サイト上でクレジットカード情報を入力した場合には、クレジットカード会社にも連絡するように、としています。海外の事業者とのトラブルについては、越境消費者センター(CCJ)でも相談を受け付けています。消費者ホットラインは188番で、最寄りの消費生活センター等を案内する番号です。2024年の発表は、商品が届かないなどのトラブルにあった場合は、決済関連事業者に相談するようにも呼びかけています。
ここからは編集部の見方です。2018年のブーツの事例では、偽物が届いたあとにカード会社に連絡しても、商品が届いているためどうにもできないと言われています。カード会社への連絡は、カード情報を入力したことへの対応として大事ですが、それで必ず返金されるわけではない、と考えておいたほうがいいと思います。だからこそ、買う前に確かめることが大切です。
まとめ:冬のセール広告は、公式サイトに戻ってから
国民生活センターは2018年に、冬物の衣服・履物(ダウンジャケットやブーツなど)を買う時期にあわせて詐欺・模倣品サイトが登場してくるケースが多くなっており、詐欺・模倣品トラブルが冬季(11月〜1月)に集中して発生する傾向があると発表しました(越境消費者センターへの相談の分析)。詐欺・模倣品サイトかどうかを完全に見分けるのは非常に困難で、少しでも不安を感じたら購入を控えるように、としています。2025年12月の発表は、冬物商品のセール広告について、日本語の表記、不自然な安さ、事業者の名称・住所・電話番号、キャンセル・返品・返金のルールなどを注文前に確かめるチェックリストを挙げています。2026年6月の特集ページからは「悪質通販サイト情報」のPDFも確認できます(すべてのサイトを網羅したものではありません)。
ここからは編集部の見方です。冬のセール広告で気になるブーツを見つけたら、その場で買わずに、ブランドの公式サイトに戻ってから。それだけで避けられるトラブルは多いと思います。
出典
- 国民生活センター「冬物の「衣服・履物」の詐欺・模倣品サイトに注意!-トラブルが冬季に集中して発生-」(2018年10月23日公表)、同報告書本文
- 国民生活センター「そのサイト、大丈夫?ネット通販で商品を購入する前に確認を!-「悪質通販サイト情報」を公表します-」(2024年6月26日公表)
- 国民生活センター「悪質通販サイトのトラブルにあわないために」(2026年6月17日公表)、「悪質通販サイト情報」PDF
- 国民生活センター「ネット通販の冬物商品セール「模倣品」「粗悪品」にご注意!」(2025年12月2日公表)
※各資料は2026年10月23日に確認しました。














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