冬になると、足の指が赤く腫れて、お風呂に入るとむずむずかゆくなる。毎年のことだから、と放っておいていないでしょうか。
岡山大学病院薬剤部の「薬の窓口」No.371(令和7年1月)は、しもやけの予防のひとつとして「きつい靴は足の指の血行不良の原因となるので、避けてください」と書いています。そして、雨や雪で靴下が濡れた場合は早めに取り替えるように、としています。
この記事では、この資料と、常陸大宮済生会病院の皮膚科医が市の広報に書いた解説(平成26年12月号)、MSDマニュアル家庭版から引用し、そこから先は編集部の見方として段落を分けて書きます。判断に迷うとき、症状が重いときは皮膚科へ。受診の目安を先に書きます。最後に出典をまとめました。
先に:こんなときは皮膚科へ
- 長期間治らない、症状が重い(岡山大学病院薬剤部)
- 寒い時期以外にしもやけのようになった、発熱・関節痛など全身症状がある。しもやけと似た皮膚の症状が現れる別の病気もあるため、早めに医療機関へ(同)
- 症状のひどい人、何度も繰り返している人は早めに皮膚科へ。治療しないでいると傷が深くなってしまうことがあり、症状が似ている別の病気もある(常陸大宮済生会病院の皮膚科医)
毎冬繰り返している人は、常陸大宮済生会病院の皮膚科医の「何度も繰り返している人」に当てはまります。一方で岡山大学病院薬剤部は、症状が軽い場合は市販の医薬品でセルフケアすることができる、とも書いています。塗り薬が基本で、ビタミンE、抗ヒスタミン成分、ステロイドといった成分が含まれているものが多い、としています。買うときは、薬局で薬剤師に症状を伝えて相談してください。
しもやけは、なぜ起きるのか
岡山大学病院薬剤部の説明では、しもやけは急激な温度差の刺激で、体の末端の血流が異常をきたして起こります。寒い環境から急に暖かくなると、動脈はすぐに太さが戻るのに静脈はゆっくり戻るため、血液の流れが滞って炎症が起こり、これが繰り返されてしもやけになる、という流れです。赤紫色に腫れてジンジンとした痛みやかゆみが出て、悪化すると水ぶくれができ、破れて潰瘍になることもある、としています。
常陸大宮済生会病院の皮膚科医の解説は、冬に気温が4〜5度で、一日の気温の差が10度以上になると生じやすいといわれています、と書いています。子どもに多い病気で、女性では大人になっても繰り返す人もいる、とも書いています。
予防の第一は、急な温度変化を避けること
常陸大宮済生会病院の皮膚科医は、「しもやけの予防には、外出時の防寒と急激な温度変化を避けることが第一です」と書いています。手袋・マスク・耳当て・帽子などの防寒具で冷気を避けるように、とも書いています。
ここからは編集部の見方です。足でいえば、冷えきった足を帰宅してすぐストーブやこたつで一気に温める、という場面が思い浮かびます。仕組みの説明が「寒い環境から急激に暖かくなると」なので、帰ったら靴下を替えて、少しずつ温めるほうがいいと考えます。
靴で気をつけること:きつい靴
岡山大学病院薬剤部は、血行改善の項目で、入浴や手足の指のマッサージと並べて、きつい靴を避けるように書いています。
編集部が気になるのは、寒いからと厚手の靴下を重ねて、いつもの靴に足を押し込むことです。靴下で温めたつもりが、靴がきつくなっていることがあります。厚手の靴下を履く冬靴は、その靴下で試着して、指先が当たらないかを確かめてサイズを決めるのがいいと考えます。雪や雨の日は、中まで濡れない防水の靴なら、靴下が濡れたままになる時間を減らせると思います。下の商品枠は、幅にゆとりがあって防水をうたう冬のブーツの検索です。足の冷えと靴の選び方は冷えに悩む人の冬靴の記事でも書きました。
靴下で気をつけること:濡れたまま、湿ったまま
岡山大学病院薬剤部は、汗をかいたときや水仕事の後は皮膚の水気をしっかり拭き取るように、と書いています。濡れたままだと、水分が蒸発するときに熱を奪って体が冷えるからです。常陸大宮済生会病院の皮膚科医も、皮膚が湿っていると皮膚の温度が急速に低下しやすくなるとして、「足の汗が多い人は湿った靴下を時々取り替えるようにしましょう」と書いています。
参考までに、MSDマニュアル家庭版(最終更新2024年11月)は、しもやけとは別の寒冷障害として「浸水足(塹壕足)」を挙げています。湿った冷たい靴下やブーツを何日も履いていることで起こるもので、しもやけの予防として書かれているわけではありませんが、足に合った靴やブーツを履き、少なくとも毎日靴下を替えて足を乾いた状態にしておくことで、多くの場合は予防できる、としています。
編集部としては、雪や雨の日に出かけるなら、替えの靴下を1足かばんに入れておく。汗をかきやすい人は、職場で一度履き替える。それだけでも、湿ったままの時間は短くできると思います。
まとめ:繰り返すなら皮膚科へ、靴はきつくしない
- 長期間治らない・症状が重い(岡山大学病院薬剤部)、症状がひどい・何度も繰り返している(常陸大宮済生会病院の皮膚科医)ときは、早めに皮膚科へ
- 寒い時期以外にしもやけのようになった、発熱・関節痛など全身症状があるときは、似た症状の別の病気もあるため早めに医療機関へ(岡山大学病院薬剤部)
- 予防の第一は、外出時の防寒と急激な温度変化を避けること(常陸大宮済生会病院の皮膚科医)
- 岡山大学病院薬剤部は、きつい靴は足の指の血行不良の原因になるので避けるよう書いている
- 雨や雪で靴下が濡れたら早めに替える(岡山大学病院薬剤部)。足の汗が多い人は湿った靴下を時々取り替える(常陸大宮済生会病院の皮膚科医)
- 厚手の靴下で靴がきつくならないよう、その靴下で試着する(編集部の見方)
今年の冬は、厚手の靴下を履いても指が圧迫されない靴と、乾いた靴下で過ごしてみてください。それでも毎年繰り返すなら、一度皮膚科で相談してみてください。
出典
- 岡山大学病院薬剤部 薬品情報室「薬の窓口 No.371」(令和7年1月31日。製薬企業のサイトを参考に作成された資料)
- 常陸大宮済生会病院 皮膚科 倉持美也「しもやけ予防と対策」(広報常陸大宮 平成26年12月号)
- MSDマニュアル家庭版「非凍結性の組織障害」(最終更新2024年11月)
※各資料は2026年11月6日に確認しました。














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