小さい子ほど、靴のサイズを自分で確かめていません。成長期に半年ごとに見直す理由と、つま先のゆとりの確かめ方

子どもの靴を買うとき、「きつくない?」と聞いて「だいじょうぶ」と返ってきたら、それで決めていないでしょうか。あるいは、すぐ小さくなるからと大きめを選んでいないでしょうか。

子どもの足を計測した業界団体の調査では、年齢が低い子ほど、靴を買うときに自分で履いてサイズを確かめない傾向が出ています。そして調査をまとめた側は、小学生以下で「ほとんど確かめない」と答えた子については、サイズ選びが親任せになっているのが実情と思われると書いています。

この記事では、日本皮革産業連合会の子どもの足の計測レポートと、靴メーカー(ムーンスター)の解説から引用し、そこから先は編集部の見方として段落を分けて書きます。最後に出典をまとめました。

目次

小さい子ほど、自分では確かめていない

日本皮革産業連合会(JLIA)の「子どもの足サイズ計測レポート」は、18歳以下の男子1,556名・女子1,622名の足を計測した調査です。計測は2008年7月から2011年12月にかけて行われました。少し前のデータであることは頭に置いて読んでください。

この調査では、子どもたちに靴を買うときの様子を3つから選んでもらっています。①必ず自分で履いてサイズを確かめる、②時々自分で履いてサイズを確かめる、③ほとんど自分で履いてサイズを確かめない。幼稚園児は保育者が尋ねて回答しています。

結果はこうです。「男女とも低年齢群ほど、靴購入時に自分自身によるフィッティング・チェックを行わない傾向にあることがわかりました」。さらに「全年齢群を通じて男子の方が女子よりフィッティング・チェックを行っておらず、とくに小学生でその傾向が強く見られます」。そして「小学生以下で③と回答した子どもは「サイズ選択は親任せ」というのが実情と思われます」。

ここからは編集部の見方です。子どもに「だいじょうぶ?」と聞くのは悪いことではありません。でも小さい子ほど、その返事はサイズを確かめた結果とは限らない。だから親の側でも、数字とゆとりを確かめておくのがいいと考えています。レポートも結びで「子どもの足の成長を観察する習慣をつくることができると良いのではないでしょうか」と書いています。

成長期は1年で1cm前後。だから少なくとも半年ごとに

同じレポートに、伸びる速さが書かれています。「成長期の子どもの足長が年間で1cm前後伸長していることがわかりました。このことから、成長期の子どもが自分の足長にあった靴を履くためには、少なくとも、半年ごとに靴のサイズを変える必要があると考えられます」。

ムーンスターの解説も「子どもの足は、年間約1cmのスピードで成長するといわれています」としています。

レポートには、足長が著しく伸びる時期として「男子が14~15歳頃まで、女子が12~13歳頃まで」とも書かれています。身長の伸びより1年ほど早く訪れるそうです。

ここからは編集部の見方です。年に1cmなら、半年で約5ミリ。あとで書く「つま先に5〜8ミリのゆとり」で買っても、半年たつとゆとりは0〜3ミリほどに減っている計算になります。「少なくとも半年ごと」という数字は、この計算とも合います。

続けるコツは、見直す月を先に決めてしまうことだと思います。たとえば新学期の前と、衣替えのころ。カレンダーに入れておけば忘れません。

足長の測り方:紙と定規でできます

ムーンスターの「基本の計測方法」に、家で測る手順が載っています。用意するのは紙、筆記具、厚みのある本や箱など、三角定規、30cmぐらいの定規です。

  1. 紙に直角に交わる線を引く
  2. 紙の上に直立し、かかとの端を交点に合わせる。横線に本や箱を置くと安定する。人さし指の先端を縦の線に合わせる。視線は落とさず正面を見る
  3. 三角定規を縦線と足の先端の指(どの指かは人によって違う)に当てて印を付ける。かかとの交点からその印までが足長

注意書きに「自分では正確に測れないため、家族や友人に協力してもらいましょう」とあります。同社のページには子ども用の計測用紙と計測マニュアルも用意されています。

ここからは編集部の見方です。家にない道具は三角定規くらいだと思います。半年ごとに使うので、1組あると続きます。

じっと立っていられない年齢の子なら、板の上に立たせて目盛りを読むフットスケールのほうが楽です。ただし製品によっては「おすすめの靴サイズ」の目盛りに、あらかじめゆとりを上乗せしているものがあります。この記事では足長そのものの数字を読んでください。

測るのは両足とも。左右で違うことは珍しくありません。差が出たときの考え方は左右で足のサイズが違う人へ。大きいほうに合わせたあと、つま先を詰めてはいけませんに書きました。

測った数字は「候補を絞る目安」。最後は中敷きで確かめる

ここからは編集部の見方です。専門機関は「試着せずに靴を買うな」と言っています。それでも通販で買う人がやることで書いたとおり、日本の靴のサイズ表示は足の実寸を基準にしていて、つま先の余裕は作る側が靴の中に持たせています。だから測った足長に近い表示サイズが、手に取る最初の候補です。

ただ、靴の中の余裕の取り方はメーカーや形で違います。だから数字だけで決めず、最後は中敷きで確かめる。ここで使うのが、ムーンスターの次の説明です。

「幼少期はサイズを選ぶ際かかとをあわせて靴を履いたとき、5~8mm程度つま先に余裕があることが理想です。インソールを取り出し、足に当てて確認することも有効です」。理由は「子どもの足はつま先が広がった扇形のような形をしています。つま先にゆとりを持たせた形状で、靴の中で足のゆびが動かせることが重要です」。

ここからは編集部の見方です。中敷きが取り出せる靴なら、子どもを立たせて体重をかけた状態で、かかとを中敷きの端に合わせ、つま先側に5〜8ミリ残っているかを見るのが分かりやすいと思います。外から押すだけでは分かりにくいところが、目で見えます。いま履いている靴でも、今夜すぐできます。なお、5〜8ミリはムーンスターが幼少期の目安として挙げている数字です。

中敷きが取り出せない靴の場合は、履かせて立たせ、つま先を親指で押して、指先の位置を確かめるくらいしかありません。だから次に買うときは、中敷きを取り出せるかどうかも選ぶ条件に入れておくと、半年ごとの確認がずっと楽になります。

ちょうどいいサイズがないとき

すぐ小さくなるから大きめに。その気持ちについて、JLIAのレポートはこう書いています。「上履きやスポーツ用の靴、お出かけ用の靴など、様々な靴のサイズをすべて変えるのは、とても大変なことです。だからこそ、冒頭に述べたような、「子どもの靴は大きめで」という考えを持つ方が多いのだと思われます」。

一方で、ムーンスターは「小さかったり足に合わない靴は、足の発達を阻害し、一方、大きすぎる靴は動きにくいため子どもの行動範囲を狭めてしまいます」と書いています。JLIAも、“ちょうどいい”大きさの靴を履くことは「健やかな足の発育や足のトラブルの予防ばかりでなく、全身の姿勢や歩容にも変化を及ぼします」としています。

もうひとつ、当時の調査で見えた事情があります。22.5cm以下では「21.5cm」「20.5cm」といった細かいサイズの靴を履いている子どもがほとんどいなかった。背景として、そうしたサイズの製造・流通が少ないことが挙げられています。2008〜2011年の計測なので、いまの売り場とは違う可能性がありますが、欲しい刻みのサイズが見つからないことは今もあると思います。

ここからは編集部の見方です。5〜8ミリにぴったりの靴がないとき、迷う方向は2つです。

  • 小さいほう:ゆとりが5ミリを切るなら選ばない。半年でゆとりがほぼなくなる計算です
  • 大きいほう:甲のバンドで締めて、歩かせたときにかかとが浮かないかで決める。浮くなら「大きすぎる」側です

大きめを選ぶこと自体が悪いのではなく、大きすぎるかどうかを確かめずに選ぶのが落とし穴だと考えています。

サイズのほかに、店で手に取って見る2つのところ

ムーンスターは子ども靴のポイントを6つ挙げていますが、店で手に取ってすぐ確かめられるのは次の2つです。

かかとが硬いか。「子どもの足は特にやわらかく、かかとが内側に倒れやすくなっています。かかと部は硬く、しっかりとホールドできるボックス構造が必要です」。かかとを指でつまんで、簡単に潰れないかを見ます。

どこで曲がるか。「子どもの足と同じかかとから2/3くらいの位置で靴が柔らかく曲がるものを選びましょう」。靴を手で曲げて、真ん中で折れないかを見ます。

ほかに、甲を調整できるバンド(「靴紐を結ぶのが難しい子には、脱ぎ履きがしやすく甲に合わせて調整できるバンドタイプがおすすめ」)、歩き始めの子にはつま先まで底が巻き上がった形、よく動き回る年齢には「衝撃を抑えられるクッション性に優れたソールの運動靴」で「凹凸があり、滑りにくい形状」も挙がっています。

ここからは編集部の見方です。半年ごとに替えることを考えると、普段の1足はバンドで甲を調整できて、底に凹凸のある運動靴タイプにしておくと、何足も持たずに済むと思います。そして前の章のとおり、中敷きを取り出せるものを。

なお同社は子どもの足について、「土踏まずも未完成でバランスが悪く、すべてが発育途上のため外的な影響を受けやすいといわれています」と説明しています。発育途上だから未完成なのはふつうのことで、だからこそ靴選びに気を配る、という順番で読んでください。

上履きは、洗う日に見る

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JLIAのレポートが「すべて変えるのは、とても大変」と書いた靴の中に、上履きが入っています。

ここからは編集部の見方です。上履きは学校にあるので、親の目に入りにくい靴です。洗うために持ち帰った日に、いったん履かせて立たせ、つま先を押して確かめるのがいちばん続くと思います。上履きは中敷きを取り出せないものが多いので、この方法になります。

学校で指定がある場合はそれに従うことになりますが、指定がなければ、サイズを普段の靴と同じタイミングで見直すことだけでも違います。

こんなときは、靴の前に相談を

ここからは編集部の見方です。痛がる、足を引きずる、同じところがいつも赤くなっている、爪が黒くなったり食い込んだりしている、靴を履くのを嫌がる。こうした様子が続くなら、靴を替えて様子を見る前に、小児科や整形外科(小児整形外科があればそちら)で相談してください。サイズの問題ではないこともあります。

靴合わせの専門家に見てもらう方法は合う靴が見つからない人が次にやることは、もっと探すことではありません。全国3,435名を検索するに書きました。シューフィッターには幼児子ども専門のコースもあります。

まとめ:聞くだけでなく、測って、中敷きで見る

整理します。JLIAの調査(2008〜2011年計測)では、年齢が低い子ほど靴を買うときに自分でサイズを確かめない傾向があり、小学生以下で「ほとんど確かめない」と答えた子についてはサイズ選びは親任せが実情と思われるとされています。そして成長期の足長は1年で1cm前後伸び、少なくとも半年ごとに靴のサイズを変える必要があると考えられています。

測った足長は候補を絞る目安。最後は、ムーンスターが幼少期の理想として挙げるかかとを合わせてつま先に5〜8ミリを、中敷きを取り出して足に当てて確かめます。大きいほうを選ぶなら、かかとが浮かないかまで見てください。

まず1つだけやるなら、今夜、いま履いている靴の中敷きを出して、子どもを立たせて足を当ててみることです。そして、次に見直す月をカレンダーに入れてください。

出典

※各資料は2026年10月1日に確認しました。JLIAのレポートの数値は上記の計測期間のものです。

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この記事を書いた人

日常の靴選びから仕事に合わせた靴選びなど、さまざまな靴に関する情報をお届けしています。あなたの足元を彩る一足を見つけるお手伝いができれば幸いです。お気に入りの靴を見つけて、毎日の生活を足元から豊かにしてください。

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