靴擦れは「サイズが合っていない」だけが原因じゃない。原因別に選ぶ、擦れにくい4足

新しい靴を買うと、必ず一度は絆創膏のお世話になる。かかとが赤くなって、次の日はもう履けない。そういう繰り返しをしている人は多いと思います。

靴擦れは「サイズが合っていない」で片づけられがちですが、皮膚の中で起きていることはもう少し具体的です。同じ場所に圧迫がかかり、そこで摩擦が繰り返される。すると皮膚の表面の層と、その下の層のあいだにズレが生じて裂け、そこに組織液がたまって水ぶくれになります。原因は「圧迫」と「摩擦」の2つで、サイズはそのうちの一部でしかありません。

そして見落とされがちなのが汗です。湿った皮膚は、じつは乾いた皮膚より滑りません。研究では、皮膚がしっとりする程度に湿ると摩擦の大きさが数割上がると報告されています。つまり汗をかくと、足が靴に食いつくようになる。同時に、水分を含んだ角質はやわらかくなって、ズレる力に耐えられなくなります。強く食いつくのに、耐える力は落ちる。この2つが重なるから、汗をかく人は水ぶくれができやすいんです。朝は平気なのに夕方に痛い、夏だけ靴擦れする、という人はまずここを疑ってください。

そこで今回は、靴擦れの原因を4つに分けて、それぞれに効く靴を1足ずつ紹介します。自分がどれに当てはまるかを考えながら読んでみてください。

目次

汗をかいた午後に痛くなる人へ。靴底から湿気を逃がす:ジオックス

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湿気は、靴擦れの原因のなかで唯一「靴の側で減らせる」ものです。足の形は変えられませんが、靴の中の湿度は構造で下げられます。ここに正面から取り組んでいるのがジオックスです。

創業は1995年、イタリア。マリオ・モレッティ・ポレガートという、ワイナリー一家に生まれた人が立ち上げました。きっかけは旅先のネバダで、暑さに耐えかねて自分の靴のソールにナイフで穴を開けたことだったと伝えられています。汗は水蒸気として逃がすが、水は通さない。その膜を穴の開いたソールと組み合わせる、という発想はここから来ました。彼はこの技術をナイキなど大手に持ち込みますが相手にされず、それなら自分で、と会社を作っています。社名は「geo(大地)」と「x(技術)」を組み合わせた造語です。

湿気を甲側からではなく足裏側から抜く、という解き方は珍しい。足の汗はもともと足裏から出るので、出口が近いわけです。スニーカーからビジネス寄りの革靴まで幅があるので、通勤で汗に困っている人は革靴の棚も見てみてください。

いつも同じ一点が当たる人へ。縫い目のない、伸びるアッパー:アルコペディコ

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痛む場所が毎回決まっている人は、こちらです。くるぶしの下、小指の付け根、親指の側面。同じ一点だけがいつも赤くなるなら、そこに靴の硬い部分が当たっています。履き口の縁に入った芯や、革を貼り合わせた縫い目です。足の形が悪いのではなく、靴の構造上そこに硬いものがある、というだけの話です。

アルコペディコは1966年、ポルトガルで生まれたブランドです。創設したエリオ・パロディはもともと技術者で、靴に使える伸縮素材が当時なかったため、ナイロンのメッシュを自分で開発したところから始まっています。そのうえで足を専門に診る医師たちに相談しながら、足のアーチを支えるソールを設計して特許を取りました。

いま買う理由は、そのアッパーです。伸縮するニットでできているので、硬い革を貼り合わせた縫い目がほとんどない。骨が出っ張っている部分があっても、そこだけ伸びて逃げてくれます。軽さも特徴で、軽いラインだと片足200グラムを切ります。丸洗いもできる。「どの靴を履いても同じ場所が痛い」という人には、構造から違う一足です。

ひとつ断っておくと、日本での展開はレディースが中心です。メンズはサンダル寄りの型が主なので、男性が通勤用に探す場合は選択肢が限られます。

革靴のときだけ痛くなる人へ。ドレスシューズにスニーカーの中身を:ロックポート

スニーカーでは平気なのに、革靴だけ靴擦れする。これは足ではなく靴の側の問題です。硬い革と硬い芯でできた靴は、足が曲がっても一緒には曲がりません。その差の分だけ、皮膚がこすられます。

ロックポートは1971年、アメリカ・マサチューセッツで、ブルース・カッツと父のソウルが始めた会社です。もとは手縫いのモカシンを作っていました。2人の発想は単純で、「ドレスシューズもスニーカーと同じくらい快適であっていいはずだ」というもの。1973年に出した最初の一足「カントリーウォーカー」は、革の紐靴にフォームの中敷きを入れたものでした。いまでは当たり前ですが、当時の革靴にスポーツシューズの中身を入れるのは新しい考え方でした。

いまも軽さとクッションが持ち味です。見た目はきちんとした革靴なので、職場でスニーカーが許されない人の逃げ道になります。革靴の靴擦れは我慢して馴染ませるもの、と思っている人ほど、一度履くと考えが変わるはずです。

足裏の一点が痛くなる人へ。医療用の素材で圧力を散らす:アキレス・ソルボ

靴擦れのもうひとつの原因、圧迫の側に効くのがこの一足です。長く歩くと足裏の一点、とくに母趾球やかかとの真下が熱をもって痛くなる。ここは摩擦ではなく、体重が一点に集まることで起きています。

アキレス・ソルボは、国内の老舗メーカーであるアキレスが手がけるコンフォートシューズです。かかと部に「ソルボセイン」という素材を入れています。もともと医療の現場で使われてきた衝撃吸収材で、メーカーの説明では足への負担を約3分の1に減らし、足裏の一部分に集中しがちな負担を分散させるとされています。

正直に書いておくと、この素材が入っているのは足裏側なので、かかとの後ろ側が擦れる靴擦れに直接効くわけではありません。そちらは後述する履き方の問題です。この靴が効くのは、あくまで足裏の圧迫のほう。立ち仕事や長距離を歩く日に足の裏がつらい、という人が対象です。

まとめ:痛む場所が、原因を教えてくれる

選び方の目安はこうです。汗をかいた午後に痛くなるならジオックス。いつも同じ一点が当たるならアルコペディコ。革靴のときだけ痛いならロックポート。足裏の一点がつらいならアキレス・ソルボ。

最初の一足には、ジオックスをおすすめします。靴擦れの起きやすさを左右する要素のうち、湿気は靴の側で確実に減らせる数少ないものだからです。足の形も歩き方も変えられませんが、靴の中の湿度は構造で下げられます。

そして、いちばん多い「かかとが浮いて後ろが擦れる」タイプには、じつは靴を買い替えるより先にやることがあります。紐をいちばん上の穴まで通して、足首側をしっかり締めること。かかとの浮きはこれでかなり減ります。試着は夕方に。足は一日でむくむので、朝の足で選ぶと午後にきつくなります。新品は最初から一日履かず、近所の買い物あたりで慣らしてください。

絆創膏は、痛くなってから貼るのでは遅い。新しい靴を履く日は、かかとに先に貼っておく。摩擦を止めるのは、皮膚が赤くなる前のほうが確実に楽です。もし水ぶくれができてしまったら、潰さないでください。あの皮は下の新しい皮膚を守る蓋になっています。そして乾かさないこと。かさぶたを作るより、傷口を適度に潤したまま覆っておくほうが治りは早い。ハイドロコロイドを使った絆創膏が売られているので、それで覆って様子を見てください。

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日常の靴選びから仕事に合わせた靴選びなど、さまざまな靴に関する情報をお届けしています。あなたの足元を彩る一足を見つけるお手伝いができれば幸いです。お気に入りの靴を見つけて、毎日の生活を足元から豊かにしてください。

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