サッカーや陸上を頑張っている子どもが、練習のあとに「かかとが痛い」と言う。足を引きずるように歩いている。成長痛かな、と様子を見ている親御さんもいるのではないでしょうか。
MSDマニュアル家庭版は、思春期の年齢の子どものかかとの骨の成長板に炎症が起きる病気として、シーバー病を解説しています。運動競技的に活発な子ども(通常は9〜14歳)、特にかかとが高くならない靴(陸上競技用フラットシューズやサッカークリートなど)を履いている子どもは、スポーツをしている間に固い筋肉や腱が引っ張られ、成長板が損傷して腫れることから、シーバー病になることもある、と書いています。
この記事では、MSDマニュアル家庭版「シーバー病」(2025年11月最終更新)と、日本整形外科学会「足の慢性障害」をもとに、そこから先は編集部の見方として段落を分けて書きます。子どもの足の痛みは、自己判断せず医療機関で診てもらってください。最後に出典をまとめました。
シーバー病とは
MSDマニュアルによると、シーバー病は、小児が急速に成長する時期に起こる骨の成長板の障害(骨軟骨症)の1つです。子どもの骨は成長板から伸び、成長が終わると成長板は固い骨になります。かかとの骨は、約15歳になる頃に固くなるそうです。
成長期には、骨、筋肉、腱が違う速度で成長します。そのため、ふくらはぎの筋肉とアキレス腱が固くなり、かかとに付着している成長板を引っ張ることがある、と説明されています。
どんな症状が出るか
- かかとの側面または端に痛みが感じられる
- つま先立ちをしたり走ったりすると悪化する
- 熱感や赤みが現れる子どももいる
- 足を引きずったり、痛い側のかかとに体重をかけないようにしたりすることがある
診断は症状に基づいて行われます。X線検査ではシーバー病の診断はできませんが、骨嚢腫や疲労骨折といった、別のかかとの痛みの原因を特定する役に立つことがある、とあります。
ここからは編集部の見方です。かかとの痛みの原因は1つではないので、成長痛なのかシーバー病なのかを家庭で決めず、足を引きずる、痛みが続く、腫れや熱っぽさがあるといったときは、整形外科などで診てもらってください。体重をかけられない、強く腫れているときは、早めの受診をおすすめします。受診のときは、いつから、どの運動のあとに痛むかを伝え、ふだん履いている練習用の靴も持っていくといいと思います。
受診までのあいだの練習については、MSDマニュアルが治療の1つとして安静にし、患部に氷をあて、痛みが和らぐように活動を変えることを挙げています。日本整形外科学会も、スポーツによる足の慢性障害全般について、いったん発症したら練習量を減らすか、一定期間の休養が必要だと書いています。編集部としては、痛がっている間は無理をさせず、走ったりジャンプしたりする練習は控えて受診するのがいいと考えています。
靴との関係(MSDマニュアル)
MSDマニュアルの靴についての記述は、大きく2つです。
- 特にかかとが高くならない靴(陸上競技用フラットシューズやサッカークリートなど)を履いている子どもは、スポーツ中に固い筋肉や腱が引っ張られて、シーバー病になることもある
- 治療として、かかとの骨がクッションで支えられるように、ヒールカップをクリートなどの靴の中に入れることもできる。ヒールパッドを使用すると、かかと部分が高くなり、アキレス腱がかかとを引っ張る力が弱まることにより、痛みが和らぐ
ここからは編集部の見方です。MSDマニュアルは、かかとが高くならない靴を履いている子どもにシーバー病が起こることがあると書き、ヒールパッドでかかと部分を高くするとアキレス腱がかかとを引っ張る力が弱まると説明しています。この2つから、編集部は、靴のかかとの高さと引っぱりには関係がありそうだと考えています。ただし、高さがどれだけ違えばどれだけ変わるかは書かれていません。ヒールカップは、かかとの骨をクッションで支えるものとして別に挙げられています。かかとが高くならない靴がよくない、という話ではありません。競技によっては、その靴が必要です。
スポーツ障害全般と靴(日本整形外科学会)
日本整形外科学会は、ランニングやジャンプの多いスポーツで起きる足の慢性障害の1つに踵骨々端症を挙げています(MSDマニュアルも、シーバー病の別名として踵骨骨端症を挙げています)。こうしたスポーツによる障害全般の背景として、足の使い過ぎのほか、足の柔軟性低下や筋力不足、扁平足などの障害の発生しやすい足の形、不適切な靴、悪い路面での練習などを挙げています。予防としては、障害全般について、足部と下腿筋のストレッチング、スポーツ後のアイシング、足にフィットしたシューズの選択、足底装具の使用を挙げています。
治療として挙げられているもの
MSDマニュアルは、シーバー病の治療として次のものを挙げています。
- ストレッチ:スポーツの前後にふくらはぎの筋肉とアキレス腱をストレッチすることが、症状の予防と緩和に役立つ
- ヒールカップ、ヒールパッド:上に書いたとおり
- 夜間の副子:ふくらはぎの筋肉を伸ばし柔軟性を保たせるために、夜間に装着することがある
- 氷冷と安静:安静にし、患部に氷をあて、痛みが和らぐように活動を変えることもできる
- ギプス:重度の痛みや治療が難しい痛みがある場合に勧められる
- 薬:医師が鎮痛のために抗炎症薬や鎮痛薬(イブプロフェンなど)を処方することもある
そして、シーバー病については、症状は数か月続くこともありますが、最終的には消失します、と書かれています。ただしこれはシーバー病と診断された場合の話で、別の原因のこともあるので、受診が先です。
親ができること(編集部の見方)
ここからは編集部の見方です。今夜からできるのは、痛がっている間は激しい運動をさせないこと、痛むところを冷やしてよいか確かめることです。シーバー病と言われたら、医師に確かめたうえで、家庭では次のことができると思います。
- 練習の前後のストレッチを習慣にする。やり方は受診先で確かめる
- 練習用の靴に、ヒールカップやヒールパッドを入れてよいか、受診先で聞く。入れるとサイズがきつくなることがあるので、入れた状態で試し履きする
- 成長期は足のサイズも変わるので、靴が小さくなっていないかを定期的に確かめる
- シーバー病なら「数か月続くこともある」と知っておき、痛みが和らぐように活動を調整する
子どもの靴のサイズの確かめ方は子どもの靴のサイズの記事に、中敷きでできることとできないことは中敷きの記事にまとめています。
出典に出てくるヒールカップには、市販品もあります(MSDマニュアルが特定の市販品を勧めているわけではありません)。子ども用のサイズがあるか、靴に入るかを確かめて、受診先で相談してから使ってください。
まとめ:足を引きずるかかとの痛みは、無理をさせずに受診を
MSDマニュアル家庭版によると、シーバー病は思春期の年齢の子どものかかとの骨の成長板に炎症が起きる病気です。運動競技的に活発な子ども(通常は9〜14歳)、特にかかとが高くならない靴(陸上競技用フラットシューズやサッカークリートなど)を履いている子どもが、スポーツ中に固い筋肉や腱に引っ張られてなることもある、とされています。かかとの側面や端が痛み、つま先立ちや走ると悪化します。治療にはストレッチ、ヒールカップやヒールパッド、氷冷と安静などが挙げられ、シーバー病の症状は数か月続くこともありますが、最終的には消失するとされています。別の原因のこともあります。
ここからは編集部の見方です。まず1つだけやるなら、足を引きずる、痛みが続く、腫れや熱っぽさがあるといったときに、無理をさせず整形外科などで診てもらうことです。別の原因がないかを確かめたうえで、練習の量やストレッチ、ヒールカップなどの使い方は、医師の話に沿って調整してください。
出典
※各資料は2026年10月30日に確認しました。














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