足の中指と薬指のあいだがしびれる、焼けるように痛むなら、モートン病のことも。日本整形外科学会が挙げるハイヒール、MSDマニュアルが挙げる靴の形

足の指の付け根のあたり、とくに中指と薬指のあいだがピリピリする。焼けるように痛む。靴の中に小石が入っているような感じがして、脱いで振ってみても何も出てこない。そんな経験はないでしょうか。

こうした症状で知られている病気の1つがモートン病です。日本整形外科学会は、原因として中腰の作業やハイヒールの常用など、つま先立ちをする格好が長時間続くことを挙げています。MSDマニュアルは、多くの要因のうち、特にサポートが十分にない靴やきつい靴が神経の刺激の一因になる、と書いています。

この記事では、日本整形外科学会とMSDマニュアル家庭版から引用し、そこから先は編集部の見方として段落を分けて書きます。2つの出典は書き方が違うところもあるので、混ぜずに並べます。足の痛みやしびれは、自分で判断せず整形外科で診てもらってください。最後に出典をまとめました。

目次

どんな症状か

日本整形外科学会は、症状を「個人差はありますが、第3-4足趾間(第3趾と4趾の向かい合う側)のしびれ、疼痛、灼熱痛などの多彩な神経症状が出現します」と説明しています。第3趾と第4趾は、足の中指と薬指のことです。前足部の足裏の小さな痛むしこりを訴えて受診することもあり、場所は第2-3、4-5足趾間のこともあるそうです。痛みは強いことも少なくなく、時には、すねのほうまで及ぶこともある、とあります。

MSDマニュアルは、初期には足の中指や薬指の周囲に軽い痛みが起こることがあり、ときおり(特に進行するにつれて)焼けるような感覚やピリピリする感覚を伴う、と書いています。足の指の付け根にビー玉や小石が入っているかのように感じる人もいるそうです。通常は片足にでき、女性に多い、ともあります。

なぜ起きるのか。2つの出典の書き方

日本整形外科学会は、原因を「中腰の作業やハイヒールの常用など、つま先立ちをする格好が長時間続くと起こりやすくなります」と書いています。槌趾変形がある場合にも、同じような姿勢で生じやすいそうです。

しくみとしては、足の指の付け根の関節でつま先立ちをすると、足の指に向かう神経が、中足骨のあいだをつなぐ靱帯(深横中足靱帯)と地面のあいだで圧迫されて起きる神経障害だと説明しています。圧迫された部分の手前には、痛みのある神経腫(仮性神経腫)ができる。中年以降の女性に多く発症します、とも書かれています。

MSDマニュアルは、神経が長時間刺激されることで痛みが起こることがあり、刺激によってしばしば神経が腫れて、がんではない肥厚(神経腫)が通常は中指と薬指のあいだにできる、と説明しています。そして「多くの要因、特にサポートが十分にない靴やきつい靴が神経の刺激の一因になります」。ほかの要因として、足の指の付け根の脂肪が薄くなる、足の向きが悪い、足の構造の異常で神経が伸ばされることなども挙げています。

症状が出やすい靴についても、MSDマニュアルは書いています。「このような症状は一般に、特定のタイプの靴、特に先の方が狭すぎるもの(つま先がとがっているものなど)を履いている場合に顕著に現れます」。そして、病気が進行するとどんな靴を履いても持続的な焼けるような感覚がつま先に広がることがあり、やがて大半の患者が、つま先の閉じた靴のほとんどを履けなくなる、とあります。

ここからは編集部の見方です。日本整形外科学会はつま先立ちの姿勢(ハイヒールの常用や中腰の作業)を、MSDマニュアルは靴の支えの少なさやきつさ、先の細さを挙げています。同じことを言っているわけではありませんが、どちらも、足の指の付け根に負担が集まる履き方や姿勢を気にかけている、と読んでいます。

まずは整形外科へ

日本整形外科学会によると、痛む足の指のあいだに感覚障害があり、指の付け根の足裏にしこりがあって、そこをたたくと痛みが響くこと(ティネルサイン)があれば、診断は確定できるとされています。足の指を反らすか、つま先立ちをさせると痛みが強くなることも挙げられています。確定診断には、X線、筋電図、MRI、超音波などの検査を必要に応じて行う、とあります。

MSDマニュアルは、診断は病歴と足の診察に基づくとし、X線やMRI、超音波検査ではこの障害を正確に特定することはできないが、似た症状を引き起こすことがある別の病気を否定するのに役立つ可能性がある、と書いています。

ここからは編集部の見方です。検査の位置づけは、2つの出典で書き方が違います。どちらにしても、しびれや焼けるような痛みが、ほかの病気から来ていないかを見分けるのは医師の仕事です。しびれや痛みが本当にこの病気によるものかは、自分では分かりません。自分でモートン病だと決めず、まず整形外科で診てもらってください。日本整形外科学会のページも「詳しくは整形外科医にご相談ください」と結んでいます。

受診のときは、どの指のあいだが、どんなふうに(しびれ・焼ける・小石感)、どんな靴や姿勢のときに強くなるかを伝えられるようにしておくと、話が早いと思います。ふだんよく履く靴を持っていくのもいいかもしれません。

治療の中で、靴と中敷きはどう出てくるか

日本整形外科学会は、「まず、足底挿板などを用いた保存的治療をします」と書いています(足底挿板は、靴の中に入れる装具のことだと編集部は読んでいます)。保存的療法として挙げられているのは、局所の安静(作業のときの姿勢への配慮や、ハイヒールの禁止)、薬剤内服、足底挿板、運動療法、ブロック注射など。そして3ヵ月ほど様子を見て症状が回復しないものでは、手術が必要になることもあるそうです。

MSDマニュアルは、履物の変更、パッドの使用、ときにステロイドの注射が症状の緩和に役立つことがあるとしています。治療の項でも、圧痛のある部位への注射や、適切な靴と、ときに装具(靴の中に入れる器具)を使用したりすると症状が軽減する可能性がある、と書かれています。ほかの治療が役に立たない場合は手術で神経腫を切除することもあり、しばしば不快感が完全に取り除かれるものの、その部位の感覚が永久的に失われることがある、とも書かれています。また、安静と氷冷も推奨されることがあるとあります。

ここからは編集部の見方です。受診までのあいだは、痛みが強くなる靴や姿勢を避けて、足を休ませるのが無難だと考えています。服装の決まりでパンプスが必要な職場なら、通勤は歩きやすい靴にして職場で履き替える、という方法もあります。痛みで歩くのがつらい、痛みが強くなっていく、といったときは、早めに受診してください。冷やすかどうかなど、自分でできることは、受診先で確かめておくと安心です。

ふだんの靴を見直すなら

ここからは編集部の見方です。出典が挙げている「ハイヒールの禁止」「履物の変更」「適切な靴」は、治療の一部として書かれています。どんな靴が自分に合うかは、診てもらった医師に聞くのがいちばん確かです。そのうえで、ふだんの靴を見直すときは、出典に出てくる言葉から、次の点を手がかりにするといいと思います。

  • かかとの高さ:つま先立ちの格好が長く続かない、低いヒールの靴を選ぶ(何cmまでなら良いという目安は、どちらの出典にもありません)
  • つま先の形:先がとがって狭い靴より、指の付け根まわりに余裕のある形を選ぶ
  • きつさ:締め付けがきつい靴を避ける。幅だけでなく、足に合っているかを試し履きで確かめる
  • 中敷き:医療機関で足底挿板をすすめられたら、それを入れられる靴を選ぶ

どれも、症状を治すための靴という意味ではありません。指の付け根に負担をかけにくい靴、という考え方です。つま先の形の違いは小指が当たるのはつま先の形、という記事に、パンプスと木型の関係はパンプスが痛いのは木型かもしれない、という記事に、幅の測り方はJISのワイズの記事にまとめています。中敷きでできることとできないことは中敷きの記事に書きました。

仕事で低いヒールの靴を選ぶなら、つま先が丸く、指の付け根まわりに余裕のあるものから試してみてください。ただし、つま先が丸い形でも、指の付け根に余裕があるとは限りません。試し履きで確かめてください。症状が進んで、つま先の閉じた靴そのものがつらいときは、無理に履かず医師に相談してください。

まとめ:指の付け根のしびれは、まず整形外科で

日本整形外科学会によると、モートン病は、個人差はありますが第3-4足趾間(中指と薬指のあいだ)などにしびれや灼熱痛などが出る神経障害で、中腰の作業やハイヒールの常用など、つま先立ちをする格好が長時間続くと起こりやすく、中年以降の女性に多いとされています。治療はまず足底挿板などを用いた保存的治療で、3ヵ月ほど様子を見て回復しないものでは手術が必要になることもあります。MSDマニュアルは、多くの要因のうち特にサポートが十分にない靴やきつい靴が一因になり、先の方が狭すぎる靴で症状が目立つとし、履物の変更などが症状の緩和に役立つことがあるとしています。

ここからは編集部の見方です。まず1つだけやるなら、整形外科で診てもらうことです。そのうえで、ふだんの靴のかかとの高さとつま先の形を、医師と相談しながら見直していくのがいいと思います。

出典

※各資料は2026年10月17日に確認しました。

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この記事を書いた人

日常の靴選びから仕事に合わせた靴選びなど、さまざまな靴に関する情報をお届けしています。あなたの足元を彩る一足を見つけるお手伝いができれば幸いです。お気に入りの靴を見つけて、毎日の生活を足元から豊かにしてください。

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