adidas Sambaが広めた「薄底×ガムソール×コートシルエット」の流れは2026年も続いています。ただ、そろそろ「Sambaはもう持っている。次に何を選ぶか」という段階に来ている方も多いのではないでしょうか。Sambaと同じテニスコートにルーツを持つ薄底スニーカーは、実は他にもあります。しかも語れる背景を持つブランドが、フランス・イタリア・アメリカに揃っていて、全部「その靴どこの?」と聞かれる一足です。
テニスという競技は、ヘリテージスニーカーの宝庫です。1960〜80年代にテニス選手が履いていた靴が、そのまま現代のストリートに出てきているブランドが複数あります。ビョルン・ボルグが履いていた靴、全仏オープン覇者が選んだブランド、1966年にロサンゼルスで生まれたテニスシューズ——この記事で紹介する4足は、テニスコートで生まれた「語れるルーツ」を持っています。
この記事では、Sambaを持っている方が「2足目」として選べるテニスコート由来のスニーカーを4足紹介します。
「全仏オープン覇者が履いていたフランスのテニスブランド」——Le Coq Sportif LCS R1000
Le Coq Sportif(ル・コック スポルティフ)は1882年にフランス・ロミイーで創業したスポーツブランドです。1983年の全仏オープン、ヤニック・ノアがル・コックを着用して優勝したとき、フランス人として46年ぶりの全仏制覇だったことが世界的な話題になりました。「全仏オープン覇者が履いていたフランスのブランド、それがル・コック」——この一文で、テニスに詳しい人にもファッション好きにも伝わります。アーサー・アッシュのウィンブルドン優勝時にも着用されていた記録があり、テニス史とブランド史が重なっているブランドです。
Le Coq Sportif LCS R1000は、コートスニーカーのクリーンなシルエットをそのまま現代に持ってきたモデルです。初めて足に入れたとき「Sambaより少し上品な薄底だ」という印象があって、ジャケパンやワイドパンツにも違和感がない。フランス国旗カラーのトリコロールがさりげなく入った配色が多く、Sambaとは別の話ができる薄底として「2足目の選択肢」にちょうどいい一足です。
「ビョルン・ボルグが履いていたイタリアのテニスブランド」——Diadora B.Elite
Diadora(ディアドラ)は1948年にイタリア・ヴェネト州で創業したスポーツブランドです。テニス界で「ビョルン・ボルグ」の名前を出すと、グラスコートで圧倒的な強さを見せた伝説的プレイヤーとして知られていますが、そのボルグがイタリアオープン等で着用していたブランドがDiadoraです。「ビョルン・ボルグが履いていた靴のブランド、知ってる?」という問いかけが、テニスを知っている世代には確実に刺さります。
Diadora B.Eliteを初めて履いたとき、「Sambaより少し細いシルエットだ」と思いました。ガムソールの接地感はSambaに近いのですが、イタリアの靴らしくトゥが少し尖った印象があって、細めのパンツに合わせると「足元が締まっている」感覚が出ます。白ベースにDiadoraのロゴが入るだけのシンプルさで、「スタンスミスとは違うイタリアの薄底を選んでいる」という会話ができる。ヴェネト州の靴産業の背景と、ボルグの名前がセットで語れる一足です。
「名前の『66』は、1966年に作られたから」——K-Swiss Classic 66
K-Swiss(ケースイス)は1966年にロサンゼルスで創業したテニスシューズブランドです。スイス系アメリカ人兄弟が設立した、「スイスの精密さをアメリカのテニスコートに持ち込む」という発想のブランドで、ブランド名の「K-Swiss」はその出自を直接表しています。「クラシック66って、ただの白スニーカーじゃなくて、1966年に作られたから66なんだよ」——この一言を知っているだけで、白スニーカーの話が別の会話になります。
K-Swiss Classic 66は、全白レザーにDストライプ(5本ライン)のミニマルなデザインで、テニスシューズとしての機能的な美しさをそのままストリートに持ち込んでいます。履いてみると「スタンスミスより少し幅が広く、足に優しい」と感じました——レザーの硬さが馴染む前から歩きやすい。Sambaより白さが際立つシルエットで、夏のリネンパンツやショートパンツに合わせると「足元がすっきりしている」と言われます。「スタンスミスとコンバース以外の白スニーカーを選んでいる」という差別化が、このシンプルな靴でできます。
「テニスから生まれたイタリアブランドが、一番テニスから遠い靴を作った」——Fila Mindblower
Fila(フィラ)は1911年にイタリア・ビエッラで創業したスポーツブランドです。テニスブランドとして1970〜90年代に全盛期を迎え、ビョルン・ボルグ(Diadoraと同時期に複数ブランドを使用)やモニカ・セレスも着用した歴史がある。「フィラってイタリア生まれなんだよ」という話は、アメリカブランドと思っていた方に意外性を与えます。
Fila Mindblowerは、4足の中で唯一の「厚底」です。テニスコートから生まれたブランドが、コートシューズとは真逆のボリュームソールを作ったY2K再評価モデルで、Sambaと2足持ちするなら「薄底の日・厚底の日」を使い分ける面白さがある。「普段はSamba、コーデに遊びを出したい日はFila」という選び方が、同じテニス起源ブランドの中で成立するのはFila Mindblowerだけです。「フィラってイタリアのブランドなんだ」という驚きと、ボリュームソールの存在感が、この靴を選ぶ理由になっています。
まとめ:テニスコートから来た4足の選び方
今回紹介した4足をまとめます。
- Le Coq Sportif LCS R1000:フランス1882年。全仏オープン覇者着用のコートスニーカー。ジャケパンにも合う上品な薄底シルエット
- Diadora B.Elite:イタリア1948年。ビョルン・ボルグ着用ブランドのガムソールヘリテージ。「イタリアの薄底」という差別化ができる
- K-Swiss Classic 66:ロサンゼルス1966年。名前が創業年そのまま。全白レザー×Dストライプの夏向きミニマルスニーカー
- Fila Mindblower:イタリア1911年。テニス起源ブランドがY2K振り切りのボリュームソールを作った逆張りの一足。Sambaとの2足使い分けに
「Sambaの隣に並べる薄底を探している」ならLe Coq SportifかDiadora、「白スニーカーをブランドの話で選びたい」ならK-Swiss、「Sambaと使い分けるボリューム感が欲しい」ならFila Mindblower。テニスコートから来た靴は、スポーツの歴史と靴の歴史が重なっていて、語れる背景が一層になっています。個人的にDiadoraをすすめます。ビョルン・ボルグがイタリアオープンで履いていたブランドと同じ靴を選んでいる——その事実が、毎日履くたびに「なぜこれを選んだか」の答えになります。














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