秋のコーデは、アースカラーやモノトーンで収まりやすい反面、足元を変えないと「全部同じ色の景色」になります。
差し色を足元に入れるとき、「なぜその色なのか」まで語れるスニーカーを選ぶと、会話の角度が変わります。フィンランドの森の色から来た配色、イタリアと日本のデザイナーが掛け算した色、ブラジルのゴムとフランスの倫理意識が形にしたアースカラー、イタリアの職人が革を重ねて出す秋色——4つの「色の背景」を持つスニーカーを紹介します。
イタリアのアウトドアブランドが日本のデザイン感覚と組んで出した「秋に合う色」:Flower Mountain Yamano 3
Flower Mountain(フラワーマウンテン)はイタリアのスニーカーブランドです。自然・山・色彩への関心をブランドの軸に持ち、日本のセレクトショップや日本のデザインチームとの協働で展開するカラーが多い。「日本人が見て不思議と合う色」がパレットに意識的に組み込まれているブランドで、それはイタリアの色感覚に日本の色の選び方が混ざった結果として現れています。
Yamano 3はVibramアウトソールとコルクフットベッドの組み合わせで、アッパーはパネルごとに異なる素材と色が当てられています。秋カラーのバリエーションが豊富で、テラコッタ×オリーブ、バーガンディ×グレーなど、秋のアース系コーデに差し色として機能する配色が並ぶ。手に持つと、パネルの色配合が「計算して決まった色」だと分かります——「これどこのブランド?」と聞かれたとき、ブランド名より「イタリアと日本の色の掛け算で生まれたんだよ」という返し方が、このスニーカーの場合は一番正確な答えです。
1916年ヘルシンキ創業の老舗が使い続けるバーガンディとグレーは「フィンランドの自然から来た色」:Karhu Fusion 2.0
Karhu(カルフ)は1916年、フィンランド・ヘルシンキで創業したスポーツブランドです。フィンランド語で「熊」を意味するブランド名を持ち、長らくフィンランド国内スポーツ向けの靴を作り続けてきた。1980年代に「FULCRUM(フルクラム)」という独自クッション技術を開発しており、当時のランニングシューズが現在ヴィンテージとして復刻されています。
Fusion 2.0はそのヴィンテージランニングシューズのひとつで、スエード+レザー+メッシュの3素材アッパーが特徴です。カラーラインナップにはバーガンディ×グレー、オリーブ×クリームなどが含まれており——これらはフィンランドの秋の森・湖・岩の色に近い。「1916年ヘルシンキ創業のKarhuが北欧の自然色でずっと作ってきたスニーカー」という話が、秋コーデの差し色に選ぶ理由になります。NikeがAdidasがと言う代わりに、「このスニーカー、フィンランドのKarhuっていうんだけど」という返しが出てくる。
ブラジルのアマゾンから運んだゴムとフランスの倫理意識が作るアースカラー:Veja V-10
Veja(ヴェジャ)は2004年、フランス・パリで創業したスニーカーブランドです。アッパーには有機栽培コットンと認証済みレザーを使用し、アウトソールにはブラジル・アマゾンの野生ゴムを採用。「なぜこの素材を使うのか」「どこから調達するのか」を全工程で開示する方針を創業から続けており、調達先の農家とフェアトレードで直接取引しています。
V-10はVejaの代表的なボリュームシルエットのスニーカーで、テラコッタ・オリーブ・レンガ色など秋向けのアースカラーが並びます。アマゾンの野生ゴムから来るアウトソールの質感と、有機素材のアッパーが自然な色と合う——素材の出所がカラーパレットに繋がっているブランドは珍しい。「この靴、実はVejaっていって」と話し始めると、相手が知っている確率は半々くらいで、知らない人への説明が一番面白い——アマゾンのゴム・フェアトレード・パリのブランドという3つの話が全部「この色から始まります」と言えます。
1885年マルケ州の靴工房が革を複数層重ねて出す「職人の色の重なり」:Premiata Landeck スニーカー
Premiata(プレミアータ)は1885年、イタリア・マルケ州のMonte Granaroで創業した靴工房です。イタリアのマルケ地方は手縫い靴の産地で、Premiataはその産地の老舗として、現在も手縫いと機械縫いを組み合わせた製法でスニーカーを作っています。「スニーカーの形をした職人靴」という立ち位置で、アッパーに複数の素材と色を重ねることで生まれる深みのある色使いがブランドの特徴です。
Landeckはその複数素材・複数カラーの重ね方が分かりやすいモデルで、バーガンディ×タン×ダークグリーンのように秋らしい色が層状に配置されています。手に取ると、縫い目と素材の境目が「意図して重ねた」という印象がある。バーガンディ×タン×ダークグリーンの3色が交わる部分の縫い目を、1885年の工房出身のブランドが「ここはこの幅で縫う」と決めている——その積み上げが、スニーカーに見えながらどこか「普通のスニーカーと違う密度」として伝わってきます。
まとめ:「なぜその色を選んだか」まで語れる秋の差し色スニーカー4足
4足を並べると、イタリア×日本の色設計(Flower Mountain)・フィンランドの自然色(Karhu)・ブラジルのゴムとフランスの倫理意識(Veja)・イタリアの職人の色の重ね方(Premiata)と、差し色の背景がそれぞれ違います。
最初の一足を選ぶなら、Veja V-10が「差し色の話」として一番コンパクトにまとまると思っています——アマゾンのゴムから来るアースカラーという素材との繋がりがあり、フェアトレード調達という話が色と一緒に語れて、テラコッタやオリーブが秋のコーデに具体的に刺さる。足元の色から地理と倫理の話が始まる——そういう差し色の選び方が一足にある。














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