ランニングシューズは何kmで替えるか。メーカーの目安はおおよそ500kmから600km程度、そして履かなくても年数で劣化する

まだ破れていないし、走れるから大丈夫。そう思って履き続けているランニングシューズはないでしょうか。

ランニングシューズの替え時について、シューズメーカーの公式サイトには目安が書かれています。ただし数字はメーカーによって違い、それぞれ「あくまで目安」「かなりの幅がある」と断っています。そしてアシックスとミズノは、走った距離とは別に、使っていなくても年数で素材が劣化することにも触れています。

この記事では、アシックス、ミズノ、ナイキの公式サイトの記事から引用し、そこから先は編集部の見方として段落を分けて書きます。どれもシューズを販売しているメーカーの記事です。最後に出典をまとめました。

目次

距離の目安は、メーカーによって違う

アシックスの公式ブログでは、取材を受けたランニングコーチが、「距離については、耐久性をはかる製品テストを行っていますが、おおよそ500kmくらいを買い替えタイミングと考えるのが良いでしょう。ただし、路面状況によっても異なるので、あくまでひとつの目安です」と話しています。

ミズノの公式記事は、「前提として、ランニングシューズの寿命はランナーの体重、走り方、練習頻度で変動します」としたうえで、「我々ミズノの意見としましては、走行距離にして600km程度を目安に買い替えていただけるようにご案内しています」。そして「これはあくまで平均的な数値です」とも書いています。

ナイキの公式記事は、自社の数字ではなく「多くの専門家は、走行距離が約500〜800kmに達した時点でランニングシューズを交換するよう推奨しているが、これにはかなりの幅がある」と紹介しています。

ここからは編集部の見方です。目安の数字はおおよそ500km(アシックスの記事でコーチが挙げたもの)と600km程度(ミズノが自社の意見として案内しているもの)で、ナイキが紹介する専門家の推奨は500〜800kmと幅が広い。どれも「目安」です。だから何kmで替える、と1つに決めるより、自分の走り方に引き寄せて数えるのがいいと考えています。

週に何km走るかで、月数に直す

ミズノは、600km程度の目安を月数に直しています。初心者ランナーを週20kmと仮定すると使用期間で7〜8ヶ月程度、中級者ランナーを週30kmと仮定すると5〜6ヶ月程度。

ナイキは、同社のランニングコーチが参考にしている目安として、ランナーのタイプ別に次のように書いています。

  • カジュアルランナー:週に16km未満なら、通常、約8〜12か月
  • 5Kまたは10Kのトレーニング:週に10〜20マイル(約16〜32km)ぐらいで、5〜8ヶ月
  • ハーフマラソンの準備:週に約32〜64kmで、約4〜6か月ごと
  • 熱心なマラソンランナー:毎週約64km以上で、およそ2〜3か月ごと

※マイルのkm換算は編集部によるものです。また、いつも走っているが走行距離を記録していないランナーには、使用期間で考えるのが役立つかもしれないとし、「ランニングシューズは通常、3か月から1年で寿命を迎える」としています。

アシックスは「購入時期や走行距離は曖昧になりがち」として、走ったときのシューズを記録できるアプリを勧めています。

ここからは編集部の見方です。距離で判断するなら、まず自分が週に何km走っているかを知ることからです。アシックスが勧めるのはアプリです。走った距離を記録できる時計を使う手もありますが、シューズごとの記録はアプリ側の機能であることが多いので、時計とアプリを連携させる前提で考えてください。シューズごとに記録しておくと、複数足を履き回していても分かります。

同じ距離でも、減り方は人によって違う

ミズノは、目安の600kmについてこう補足しています。「ランナーの体重が重いほど、着地の衝撃が大きいため、シューズの劣化は早まります。また、アスファルトのような硬い路面を走る場合も、ソールへの負担が大きくなります」。さらに「同じ距離を走っても、ジョギングが中心のランナーと、スピード練習を頻繁に行うランナーでは、シューズの消耗度合いが異なります。走行距離はあくまで目安として捉え、他の要素と合わせて判断することが大切です」。

ナイキも、寿命に影響するものとして走る場所(舗装路、トレイル、トラック)を挙げ、柔らかいミッドソールは、長い走行距離や重い体重の下でより速く圧縮する可能性があると書いています。アシックスも、劣化度合いは走った距離や路面・気象環境のほか、その人の体型や体格、ランニングフォームによって異なる、としています。

走らなくても、年数で劣化する

距離とは別の目安です。アシックスは「購入してからの年月」の項目で、「履いた回数・距離に関わらず、未使用でも3~4年経てばシューズの素材は劣化するものです。ソールが剥がれることもあります」と話しています。

ミズノは、「たとえ走行距離が少なくても、ランニングシューズの素材は時間とともに劣化します。特にミッドソールに使われているフォーム素材は、使用していなくても酸化や圧縮によって徐々に性能が低下していくおそれがあります」と書いています。年数については、同じ記事の中で、ランニング頻度が少ない初心者の項目では「製造から2~3年程度」、共通のチェックポイントの項目では「一般的に購入から2~3年が経過したシューズは、たとえ未使用であっても、本来のクッション性や反発性が失われている可能性があります」と、起点の書き方が2通りあります。

ここからは編集部の見方です。年数の目安はアシックスが3〜4年、ミズノが2〜3年で、起点も「購入」と「製造」の両方の書き方があります。だから、しばらく履いていなかったシューズを出してきたときは、距離が少なくても一度疑ってみるのがいいと思います。売り場に長く置かれていたシューズは、買った時点ですでに製造から時間がたっていることもあります。なお、ミズノが書いている原因は「酸化や圧縮」です。それとは別の話として、ポリウレタン素材が年数で傷む加水分解については履いていないのに壊れる靴がありますに、底の素材の違いは靴底の素材の記事に書きました。

シューズのどこを見るか

3社の記事に出てくる見どころを、部位ごとに並べます。

  • 靴底(アウトソール):アシックスはソールの意匠がすり減っていたり、ミッドソールが露出していたりしたら買い替えを、としています。ミズノは溝が浅くなったり、摩耗して平らになったりするとグリップ力が低下し、特に雨の日や滑りやすい路面で危険性が増すと書いています
  • ミッドソール:アシックスはシワが寄っていたり、さわって硬くなっていたりしたら本来の機能が失われている場合がある、としています。ミズノは見た目には分かりにくいとしたうえで、以前よりも硬く感じたり、足が疲れやすくなったりしたと感じたら劣化が進んでいる可能性がある、と書いています。ナイキは親指でミッドソールを押して、密度が高く、跳ね返りが遅い、不均一、または目に見えるシワがある場合は、アウトソールが無傷に見えてもミッドソールが破損している可能性がある、としています
  • アッパーや履き口:アシックスはほつれや破れがあれば、もう十分履いた証拠としています

ここからは編集部の見方です。靴底のすり減りは見れば分かりますが、ミッドソールは、ミズノが見た目には分かりにくいと書く一方で、アシックスやナイキはシワという見て分かるサインも挙げています。だから見る・押す・履いた感じの3つで確かめるのがいいと考えています。靴底の減り方そのものの読み方は靴底の減り方の記事にまとめました。

体の変化もサインになる

ミズノは、走行距離が目安に達していなくても、クッション性の低下や反発力の減少を感じたり、これまで感じなかった疲労感や痛みが出始めたりした場合は、シューズの寿命が近づいているサインの可能性がある、と書いています。ナイキも、関節で予期せぬ痛みが発生している場合は、すり減ったシューズのせいで姿勢や走り方が変わっている可能性があるとしています。

ここからは編集部の見方です。これは「痛みが出たらシューズのせい」と決めつける話ではありません。シューズを替えても痛みが続く、強くなる、という場合は、整形外科などで診てもらってください。かかとの痛みについては朝の一歩目にかかとが痛むならにまとめています。

替え時が来たら、次の一足へ。今のシューズで足が合っていたなら、同じ系統のものを選ぶと失敗が少ないと思います。サイズやモデルを変えるときは、一度店で履いて確かめておくと安心です。

寿命を縮めない扱い方

アシックスは、寿命を延ばすための扱い方も書いています。

  • 「ひもを結んだまま脱ぎ履きしたり、かかとを踏んだりするのはもってのほか」。かかとを守るヒールカウンターを潰してしまうので、ひもは毎回ほどいて結び直す
  • 洗うときはぬるま湯と中性洗剤で、靴ひもと(外せるなら)中敷きを外し、強くこすらず優しく。乾かすときは直射日光を避けて陰干し
  • 走ったあとにシューズの袋に入れっぱなしにしない(ソールが傷んだり生地が縮んだりする原因になる)。湿気の多い場所や直射日光は避けて保管
  • それなりの距離を走るなら、複数足の履き回しもおすすめ。毎日のように一足を履き続けると傷みも早くなります

洗ったあとの黄ばみを防ぐすすぎと乾かし方はスニーカーを洗うと黄ばむのは、すすぎ不足ですに書きました。

まとめ:距離を数えて、年数を覚えて、押して確かめる

整理します。替え時の距離の目安は、アシックスがおおよそ500km、ミズノが600km程度で、どちらも目安だと断っています。ナイキは、多くの専門家の推奨として約500〜800kmと紹介し、かなりの幅があるとしています。寿命を左右するものとして、ミズノは体重・走り方・練習頻度・路面を、アシックスは路面・気象環境・体型や体格・フォームを、ナイキは走る場所・距離・頻度を挙げています。

距離とは別に、アシックスは未使用でも3〜4年で素材は劣化する、ミズノは使用していなくてもミッドソールのフォーム素材は性能が低下していくおそれがあるとし、「製造から」「購入から」の2通りの書き方で2〜3年を挙げています(未使用でも性能が失われている可能性がある、という書き方です)。見るところは、靴底のすり減り、ミッドソールのシワや硬さ(押して確かめる)、アッパーの破れ、そしてこれまでなかった疲れや痛みです。

まず1つだけやるなら、いま履いているランニングシューズを買った時期を思い出し、週に何km走っているかから、これまでの距離を数えてみることです。たとえば週25kmなら、半年で約650km、1年で約1,300kmになります。年数の目安は、あまり走らない人や履いていない靴のためのものだと編集部は読んでいます。距離が目安を大きく超えていたら、見た目が無事でも替えどきと考えてください。そのうえで、ミッドソールを親指で押してみてください。

出典

※各資料は2026年10月12日に確認しました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

日常の靴選びから仕事に合わせた靴選びなど、さまざまな靴に関する情報をお届けしています。あなたの足元を彩る一足を見つけるお手伝いができれば幸いです。お気に入りの靴を見つけて、毎日の生活を足元から豊かにしてください。

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

CAPTCHA

目次