スニーカーを選ぶとき、「デザイン」「ブランド」「はき心地」を基準にすることが多いと思います。そこに最近、もう一つの軸が加わっています——「この靴、どうやって作られているか」。サステナブルスニーカーと聞くと、「なんとなく地味」「エコっぽくてダサそう」という印象を持つ方もいると思う。でも、それは2018年以前の話です。
今のサステナブルスニーカーは、普通のスニーカーとまったく同じ感覚で選べて、なおかつ「この靴、サトウキビから作られたソールなんだよ」「ペットボトルをアッパーにリサイクルした」「使い終わったらブランドに送ると新品クレジットが返ってくる」という会話ができる一足です。デザインが良くて、素材の話ができて、環境への考えが靴に出る——今回紹介する4ブランドは、そのすべてが揃っています。
この記事では、「エコな靴=我慢するもの」という先入観を軽く壊してくれるサステナブルスニーカーを4足紹介します。
「このクッション、サトウキビから作られてるんだよ」——Cariuma CATIBA Pro
Cariuma(カリウマ)は2018年にブラジルで創業したサステナブルスニーカーブランドです。最大の特徴はミッドソール——サトウキビ由来のバイオベースEVAを使用していて、「このクッション、サトウキビから作られてるんだよ」という一言が確実に会話になります。アッパーは竹とオーガニックキャンバス、アウトソールは天然ゴム——「靴の主要パーツが全部植物由来の素材でできている」という事実が、他のサステナブルブランドとは一線を画す。
Cariuma CATIBA Proを初めて足に入れたとき、まず「普通のキャンバスシューズだ」と思いました。白ソールにシンプルなロゴ、軽い。ただ、歩き続けていると「このクッション感は何か違う」という感触があって、それがサトウキビEVAの感触なんだと気づく。国内でも通販で入手できるブランドで、素材の話と一緒に選べる靴として、「買う靴で自分の考えを表明したい」という方のスニーカー選びに最初に候補に入れてほしい一足です。
「このスニーカー、ペットボトルから作られてるんだよ」——SAYE M89
SAYE(セイ)はスペイン・バルセロナ発のサステナブルスニーカーブランドです。アッパーの素材は使用済みペットボトルを再生した繊維——「このスニーカー、ペットボトルから作られてるんだよ」という説明がシンプルに伝わります。バルセロナのデザイン感覚でまとめられたクリーンなシルエットで、「環境配慮が見た目に出ない」スニーカーを実現している点がブランドの強みです。ソールもリサイクル素材で構成されていて、パーツ全体に一貫した思想があります。
SAYE M89は、4足の中でデザインが最もミニマルでシンプルです。白ベースのクリーンなシルエットで、どんな服にも合わせやすい。ペットボトル由来のアッパーですが肌触りはポリエステル素材と変わらず、「これでエコなんだ」と説明されるまでまったくわからない。「エコな素材なのに見た目を我慢したくない」という方にはこのブランドがいちばん入りやすいと思います。バルセロナ発のデザインと環境意識が合わさった、今の時代の普通のスニーカーです。
「使い終わったら送り返すと新品が返ってくる仕組みを持つ靴」——Thousand Fell Runner
Thousand Fell(サウザンドフェル)は2019年にニューヨークで創業したサステナブルスニーカーブランドです。世界初の「完全回収・再生システム」付きスニーカーとして知られていて——使い終わったらブランドに送ると、新品交換クレジットがもらえる仕組みになっています。「買う → 使う → 返す → また使う」というループを靴のビジネスモデルに設計したブランドで、「靴の廃棄問題をビジネスの仕組みごと変えようとしている」という話が他の3足とはまったく異なる文脈で語れます。
Thousand Fell Runnerは、ランニングシューズのシルエットで軽量かつクッション性が高い。素材はリサイクル由来で、ソールも分解・再生可能な設計になっています。「どうせ履き潰したら捨てるしかない」という靴の終着点を、このブランドは別の答えで持っています。その事実がこの一足を選ぶ理由になる。靴のサステナビリティを「素材の話」ではなく「回収の仕組みの話」で語れる、唯一のブランドです。なお公式サイトや取り扱いショップ経由で購入でき、返却時の手続きも同ルートで完結します。
「旅先で1足しか持っていかない人向けのサステナブルスニーカー」——Tropicfeel Canyon
Tropicfeel(トロピックフィール)はスペイン・バルセロナ発のサステナブルスニーカーブランドです。他の3ブランドと異なるのは、「旅行者向けの設計思想」を持っている点——軽量・速乾・防水対応の多機能スニーカーで、素材はリサイクル由来。「1足でハイキングからビーチ、街歩きまで対応」という設計思想で、「旅先に靴は1足しか持っていかない」という選択を可能にするブランドです。
Tropicfeel Canyonを選ぶ理由は、「サステナブルであること」と「旅のパートナーとして便利であること」が両立している点です。水に濡れても乾きやすく、ハイキングの岩場でもグリップが効く。観光地のカフェに入っても浮かないシルエットで、1足でその日の予定が全部賄える。他の3足が「普段使いのスニーカーを環境配慮に切り替える」選択なら、Tropicfeelは「旅用に一足持つ感覚でエコな靴を選ぶ」イメージです。旅行のたびに靴を2〜3足持っていくのが面倒になってきた方に、素材の話と使い勝手の話が両方できるスニーカーです。
まとめ:「どうやって作られたか」を話せる4足
今回紹介した4足をまとめます。
- Cariuma CATIBA Pro:ブラジル2018年。サトウキビEVAミッドソール+竹+オーガニックキャンバス。「全部植物由来の素材」を体現するキャンバススニーカー
- SAYE M89:バルセロナ発。ペットボトル再生アッパー+リサイクルソール。4足の中で最もミニマルなデザインで日常使いしやすい
- Thousand Fell Runner:ニューヨーク2019年。世界初の完全回収・再生システム付き。「靴の廃棄問題をビジネスモデルで解決する」という唯一無二の話ができる
- Tropicfeel Canyon:バルセロナ発。旅行者向け軽量・速乾・防水の多機能設計。1足で旅先のすべてに対応するリサイクル素材スニーカー
「植物由来の素材の話をしたい」ならCariuma、「デザインが普通のスニーカーに最も近い」ならSAYE、「靴のリサイクルの仕組みごと語りたい」ならThousand Fell、「旅用に一足だけエコな靴を選びたい」ならTropicfeel。「その靴、どうやって作られたか」を話せる靴は、買い替えるたびに会話が変わります。個人的にCariumaをすすめます。植物由来の素材で靴が作れること自体に驚きがあって、そこから話を始めると「環境への考えを押しつけずに伝えられる」靴だと思う。自分の価値観を靴で表明したいとき、説明しやすさという意味でもCariumaが一番です。














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