「スニーカー」という言葉がどこから来たか、知っている人はどれくらいいるでしょう。ブランド名の由来まで知っている人は、もっと少ない——「なぜその名前なのか」という問いを出発点にすると、1890年代から1910年代に創業したスニーカーブランドの話が全員違う場所に行き着きます。
ゴムソールのキャンバス靴が床でキュッと音を立てないから付けられた名前・スウェーデンの港町の紋章からブランド名が生まれたゴム製品会社・フィラデルフィアでEVAフォームをランニングシューズに最初に使ったブランド・大阪の創業者の名前がそのまま世界展開した日本ブランド——4足の「なぜその名前か」を紹介します。
「sneaker(スニーカー)」という言葉を最初に使ったブランドが作った一足:Keds Champion
「スニーカーって何のことか知ってる?」——1916年にアメリカのUnited States Rubber Companyがゴムソールのキャンバス靴を発売したとき、「床の上で音を立てない」という特性から「sneakers(忍び寄る人の靴)」と呼ばれ始めた、というのが語源とされています。その靴を作ったブランドがKedsで、「スニーカー」という言葉を生み出した会社です。
Keds Championはそのオリジナルのゴムソール×キャンバスアッパーの形を今も続けているモデルです。白いキャンバスと天然ゴムソールのシンプルな組み合わせで、コーデはデニム・ワンピース・チノパンとどれでも収まる——「なぜこの形が今も続いているか」は、履いてみると分かります。確かにこのゴム底はコンクリートの上でも音がしない。語れる由来が、実際に履いた感触と直接繋がっている靴です。
スウェーデン・ヘルシングボリの「三つの塔」が名前になったゴム製品会社がテニスシューズに来た:Tretorn Nylite
Tretorn(トレトン)は1891年、スウェーデン・ヘルシングボリで創業したゴム製品メーカーです。ブランド名「Tretorn」はスウェーデン語で「Tre Torn(三つの塔)」——ヘルシングボリ市の紋章にある三つの塔がそのままブランド名になっています。ゴム長靴・自転車タイヤ・テニスボールを作っていたゴム製品会社が、テニス向けのゴムソールシューズに展開してきた流れが現在のTretornのシューズラインです。
Nyliteはそのテニスシューズラインの代表モデルで、キャンバスアッパーとゴムソールのシンプルな構造です。足を通すと軽量で、ゴム製品から来た底の素材感が柔らかく返ってくる。「スウェーデン・ヘルシングボリの三つの塔が名前になったゴム製品会社の靴」——ゴム長靴とテニスシューズが同じ会社から来ているという話の流れが、「ちょっと変わった靴の由来話」として機能します。
1914年フィラデルフィア創業。EVAフォームをランニングシューズに最初に使ったブランドが今も走り続けている:Brooks Ghost
「ランニングシューズで一番売れてるブランド知ってる?」——Brooks(ブルックス)は1914年、フィラデルフィアでJohn Brooks Goldenbergが創業したスポーツブランドです。2001年にランニング専業へ絞り込む決断をした——ランニング以外のカテゴリを全部捨てて「ランニングだけ」に賭けた判断が、現在のアメリカのランニング専門店シェア1位という結果に繋がっています。EVAフォームをランニングシューズに先がけて採用したブランドの一つでもあります。
Ghost(ゴースト)はBrooksの主力ロードランニングシューズで、DNA Loftクッションが足の着地をやわらかく受ける——脚への負担を減らしながら走れる設計が、日常使いやジョギング入門にも使いやすい。「Brooksが好きで走り始めた」という人は多く、「1914年フィラデルフィア創業で、2001年にランニングだけに絞って今アメリカの専門店シェアNo.1」という話が、4足の中で「一番話が決まる」返しです。
1906年大阪。創業者・水野利八の名前がそのまま世界に出ていった日本のスポーツブランド:Mizuno Wave Revolt
海外ブランドが3足並んでいる中で、4足目が日本です。Mizuno(ミズノ)は1906年、大阪で水野利八が創業したスポーツブランドで、ブランド名は創業者の苗字がそのまま——「ミズノ」という名前が世界展開しているブランドになっています。1997年にWave plate(ウェーブプレート)技術を開発・特許取得し、ミッドソールのW字型の波板が衝撃を横方向に分散させる独自設計が現在も続いています。
Wave Revoltは軽量のランニングシューズとして展開されているモデルで、Wave plate技術が現在のモデルに引き継がれています。「ミズノって部活のランニングシューズのイメージが強いかもしれないけど」——1906年大阪・創業者の名前がそのままブランド名・1997年に特許取ったWave技術という3つの話が全部重なっている。この4足の中で一番「日本の話」として収まりがよく、海外ブランドが3足並んでいる中で「日本が1906年に作ったブランドも同じ時代にある」という話の収まり方が面白い。
まとめ:「なぜその名前か」まで語れる1891〜1916年創業スニーカー4足
4足を並べると、「スニーカー」という言葉の発明者(Keds)・スウェーデン港町の紋章がブランド名(Tretorn)・ランニング専業に絞って米国シェア1位(Brooks)・創業者の苗字がそのまま世界へ(Mizuno)と、名前の由来と起源の話がそれぞれ全員違います。
最初の一足を選ぶなら、Keds Championだと思っています——「この靴の形がスニーカーという言葉を生んだ」という話が最もシンプルで、デニムにもコットントラウザーにも入る。履いてみると確かにゴム底が床で音を立てない。「語れる由来が、履いた感触と直接繋がっている」という体験が、この4足の中で一番分かりやすい形で起きる靴です。














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