クローゼットを開けると、NikeもadidasもNew Balanceも揃っている。でも、なんとなく「またこれか」という気持ちになる——そんな感覚、ありませんか。スポーツブランドの靴は品質も実績もある。でも、選んでいるものが周りと被ってきたことに、ある日気づく。
「その靴どこの?」という反応は、定番ブランドではなかなか起きない。それが今、30〜40代の靴好きが少しずつスポーツブランド以外に目を向け始めている理由のひとつです。テキサス生まれのアメリカンヴィンテージ、イタリアの職人工房、オランダ発のミニマリスト、フィレンツェの革靴職人——この記事で紹介する4足にはそれぞれ、「どこのブランド?」から始まる話があります。
Nikeでもadidasでもない、その「アメリカン感」に二度見する:AUTRY Medalist Low
AUTRY(オートリー)は1982年にアメリカ・テキサスで生まれたスポーツブランドです。1990年代に一度姿を消し、2019年に復活という経歴を持つ——いわば「知っている人だけが知っていた靴」が現代に戻ってきた。フロントのスターロゴが入ったアメリカンヴィンテージ感が特徴で、「NikeでもReebokでもない、でもどこかで見たことある気がする」という独特の既視感を起こします。
ビームスやユナイテッドアローズなど国内セレクトショップでの取り扱いが増え始めた今は、「まだ被っていない絶妙なタイミング」のブランドです。テーパードパンツやロールアップしたデニムと合わせると足元がぐっと締まる感覚があり、「AUTRY?何それ」という反応から、テキサス→消滅→復活という話が始まります。スニーカーが会話の入り口になりやすい人には、こういうブランドが刺さる。
イタリアの職人工房が生んだ「見たことあるようで見たことない」スニーカー:P448 John
P448(ピー448)はイタリア・マルケ州の工房から生まれたブランドで、ヴィンテージバスケットボールシューズにインスパイアされたシルエットを持っています。スプリットスエードとスター型のステッチディテールが入ったアッパーは、「アディダス?コンバース?」と聞かれる絶妙な既視感がある。でも実際に手に取ると、スエードの質感と縫製の精度がどちらとも違う。
国内ではSSENSEやMR PORTERが日本向けに取り扱っており、日本語サイトから購入できます。スポーツブランドとは異なる「靴づくりの文脈」が背景にあるため、履く人の目線が変わります。カーゴパンツや太めのデニムに合わせると、イタリアの工房感が足元からじんわり伝わる——そういう靴です。
「ハイブランドとスニーカーの間」という場所に、オランダ発のブランドがいた:FILLING PIECES Low Top
FILLING PIECES(フィリングピーシーズ)はオランダ・アムステルダム発のブランドで、「高級ファッションとスニーカーの間を埋める(Filling the Pieces)」というコンセプトを持っています。フルグレインレザーに手縫いステッチ——その構造はスニーカーでありながら、品質と存在感は革靴に近い。実際に1日履いてみると、レザーが足のかたちに沿って少しずつ馴染んでくる感覚があります。
SSENSEで日本配送対応があり、国内から購入しやすい。白いスニーカーでも「なんかこれ高いやつだ」と伝わるシルエットを持っていて、「その白い靴、どこの?」という反応が起きやすい。コモンプロジェクツと比較されることも多いブランドで、スニーカーとして履ける一生もの感覚があります。
フィレンツェの革靴職人が作る、コンバースのようでコンバースじゃない一足:Buttero Tanino
Buttero(ブッテロ)はフィレンツェ発の革靴職人ブランドです。キャンバスアッパー×レザーソールというシンプルな構造は、パッと見るとコンバースに似ている。でも手に取ると、縫製の質と素材の密度が「ただのローカットではない」と伝わる質感があります。「コンバースみたいだけど全然別物」という反応が定番で、Buttero Japan公式サイト(日本語対応)から直接購入できます。
スラックスやチノパンと合わせると、フィレンツェの職人感が足元に自然に出る。スポーツブランドのスニーカーとは異なる「靴づくりの文脈」で選べる一足で、これを履いている人には「靴を知っている」という空気が自然と出ます。説明したいときにフィレンツェの話から始められる、そういう靴です。
まとめ:スポーツブランドを一歩離れると、語れる靴がある
今回紹介した4足をまとめます。
- AUTRY Medalist Low:1982年テキサス生まれ、2019年復活。スターロゴのアメリカンヴィンテージ感で「被っていない絶妙なタイミング」のブランド
- P448 John:イタリア・マルケ州の職人工房発。「adidas?Converse?」という既視感と独自性のバランスが絶妙
- FILLING PIECES Low Top:オランダ・アムステルダム発。「ハイブランドとスニーカーの間」に存在するフルグレインレザーの一足
- Buttero Tanino:フィレンツェの革靴職人ブランド。コンバースに似ているが、手に取ると全然違う質感と職人感がある
Nike・adidas・New Balanceは悪くない。でも「もう少し語れる靴を持ちたい」と思い始めたとき、選択肢はスポーツブランドの外側にもある。まず1足だけ、スポーツブランド以外を試してみる——それだけで、クローゼットの見え方が変わります。














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